作品のカイゼン

 この間のゲームの感想なのだが、上げた後にいくつか感想の感想をもらって、その中に良い悪いだけでなく、代替案があるのが面白いというものがあり、それが印象に残った。というのも、別に僕は改良できると思う点を挙げて、その案を出すというのは、意識してやっていたことではないからだ。ゆえに、指摘されて驚いた。

 きっと、どうしたら、もっと良くなるだろうか、という目線で物事を見ているからなのだろう。創作物に対しては、その向きが強い。減点方式で物事を見ているからというのもあるのだが、その作品の方向性や属性によって、到達できると思われる最善に近い形がなんとなく見え、そことの差異が影になって見えるというか、そんな感覚を物事に対して得るのだ。もちろん、その最善に近い形というのは、僕にとっての、しかも、妄想でしかないわけだから、見当はずれのことも多いのだが。ただ、どちらかと言えば、そういうものの方が得意なのだろうという直感がある。0から1を作り出すというよりは、60点のものを90点に引き上げるというような。

 しかし、それゆえに本当に素晴らしい作品に対しては、僕ごときでは何も発する言葉がなくなる。僕が想像できるもの、いや、それすらも超えたものに対しては、解析すらも及ばず、ただ感嘆の息を漏らすしかなくなってしまうことも多い。本当はそういうものこそ、分解して自分の糧にしていかなければならないのだろうが。もっと、感想を書いて、もっと、構造を把握して、もっと、要素を理解していきたい。その先に、僕が目指す完全な何かがあるような気がしている。