悪いこと言わないから、人類はカードデザインを勉強しよう?

  そういえば、少し前に首相がマスク2枚を配布することを宣言して、話題になっていた。僕が政府に求めているのは、ベーシックインカムぐらいなので、別にどうでもいいのだが、悪い意味で目立っていて、他のあらゆる対策を覆い隠しているように見えた。この時、僕はMTGの首席デザイナー、マローによるカードデザインの記事を思い出していた。

 ある記事では、カードデザインの講義を行っていて、その際に、余計な能力をつけると、それがない状態でも十分に強いのに、そこに注目が集まってしまうという問題を取り扱っていた。例えば、軽量のコストで良いスタッツ(MTGで言えば、1マナ2/2とか)を持っているのに、防衛を持つクリーチャーを破壊する、といったような役に立たなそうな能力(俗にいうインクの染み)を持っていると、そこに注目が集まってしまい、評価が変わってしまうという話だ。今回も、それに近いことが起きたと言える。

 カードデザイン、まあ、もっと大きく言えば創作の技術というものは、人間の感情がどう移り変わり、どういうものに興味を持つかという点に着目したものだ。それは思った以上にいろんなことに活用できるのではないだろうか。少なくとも、首相がマローの記事が好きだったなら、このような問題は発生しなかった。

 常々、『こういう時はどうするのか、ゲームで習わなかったのか?』と疑問に思うことが多い僕としては、世間に言えることは一つだ。勉強なんてしないで、ゲームをしろ。ビジネスの本なんか読まずに、カードデザインの記事を読め。その方が楽しいのに、現実で使える技術が身に付くぞ。