ボードゲームのアクションとリソースについて考えたかった

 ボードゲームのアクションの構造を解析したい。

 ここでのアクションとは、プレイヤーの選択によって、リソースを生産したり、変換したりするものと定義する。ここでいうリソースとは、かなり広義のものを指している。

 では、リソースとは何か。それを分類したい。

 一つは、アクションに使用するものだ。アクションの産物でもあるが、アクションのコストでもある。センチュリーシリーズのスパイスを考えればわかりやすい。あれは、基本的に消耗品と消耗品の変換を行っている。

 一つは、アクションに使用できないものだ。そしてそれは、次回以降の糧となる施設と、最終的な勝利に結びつく勝利点に大別される。例えば、「パンデミック」で病原菌を取り除くアクションは、アクション回数というリソースを使用して、病原菌を取り除き、敗北から遠ざかっている。これは広義の勝利点と考える。また、施設は、リソースを直接生むようになるものと、他のアクションや施設をサポートするものがある。直接的な生産施設と、間接的な生産施設だ。

 これらをまとめると、以下のようになる。

 

・リソース(アクションによって生産/変換されるもの)

 →消耗品(アクションに使用するもの)

 →恒常品(アクションに使用できないもの)

  →施設(利益を生み出すもの)

   →直接的施設(リソースを生み出すもの)

   →間接的施設(コスト削減や出力の増加など間接的にリソースを生み出すもの)

  →勝利点(勝利に近づくもの)

 

 厳密に言えば、消耗品でありながら、直接/間接的施設であるものがある(「アグリコラ」の家畜など)。また、消耗品にも、一時的なものと永続的なものが存在する(「ワイナリーの四季」における臨時ワーカーはそのラウンドでしか使用できない)。また、消耗品かつ勝利点というのも一般的だ(最終的に消耗品が勝利点換算される多くのゲーム)。

 ここまで分解して思ったのは、プレイ時間が短いゲームほど、ここで定義した施設が少なく、長いゲームほど、施設や勝利点を得る方法が多いというものだ。まあ、当たり前の話で、プレイ時間が長ければ一般的に手番が多いので、拡大再生産指向であることが多い。そうなると、どのようにリソースを割り振ることにより、最終的な勝利点を増やせるのかに焦点を置いたゲームが多くなる。短いゲームであれば、生産能力を高める前にゲームが終わってしまうから、ランダム要素を含めた現在の状況を上手く捌ければ捌けるほど、直接的に勝利点がもらえ、それが多い人が勝つという仕組みになっている。ゆえにランダム性が高いことが多い。当然、長時間のゲームで最終的な結果が運任せなどというゲームは許されないので、長いゲームほど(特に後半は)ランダム性がなくなる傾向にある。

 うん。当たり前のことをまとめても当たり前のことしかわからないということがわかった。