メギド72「不死の幻獣と失いし過去」の感想
今回のイベント、「不死の幻獣と失いし過去」のシナリオは個人的にいまいちだと感じていて、どこか不満なのかを列挙してみることにした。
まず、アルマロスの策略というものが成立していないように感じる。いや、やりたいことはわかるのだけれど、そこまでやる必要もないし、問題点が多すぎると思う。例えば、ヒュトギンのイベントでも似たようなことをやっているのだけれど、あっちは自身の死まで可能性としては織り込み済みで、殉教に近い覚悟があった。しかし、実際にはソロモンの性格まで計算に入れていたから、殺されはしないだろうというところまで計画の一つで、さらにヒュトギンのキャラストまで続く策謀の一片でしかなかったということが示され、ヒュトギンの参謀としての能力が描写されている。それならば良いのだが、アルマロスの場合には、ソロモンの実力を実際に対峙することで確認したいというもので、いささか決定力に欠けるし、それこそもったいないことのように思えてしまった。メギド加入がエンディングとして使われることを逆手にとって、もう一段仕込みがあるという構成自体は良いと思うんだけれど……
あと、ブネとブニがアルマロスと対峙するシーンも、少し甘かったかなと思う。他のライターさんなら、例えば、ブニが地割れをかけて、ブネが奥義というような、データ的にもできるコンボを、メギドラル時代の連携だというような形で使っていたかなと思う。防御力が高いとダメージが大きいことにかけたような描写もあったかなと。
また、ブネの家族とブネ自体が会わないという構図は良いと思うのだけれど、ブニとのやり取りがもう一段階あっても良いのではないかと思う。そうでないと、ブネが家族から目をそらしたまま、とも捉えられる。もちろん、ブニと酒場に行っているので、そこで吹っ切れたことはわかるのだが、せっかく家族を出したのだから、もうちょっと何かあっても良いのではないか。
例えば、エンディングで、ブネはブニの嘘を見抜く。ブニは嘘を謝る。ブネはそれでいいんだと自立したことを褒める。ブニはブネの家族について報告しようとする。ブネはそれを遮って、必要ないという。ここでリジェネ前後と比較して家族に対する心情が変わったことを示す。ブニと酒場に行く。
というような、何かがあれば良かったのにと思った。
ただ、これぐらいのことはわかっているだろうから、その上で今のような形にしたような気もするが。単純にテレワーク化とかを行って、環境が変化したり、時間がなかったからかもしれない。あるいは、ブネの過去という題材は、すでに多く二次創作があがっていて、出来の良い作品もあり、自然とハードルがあがっていたのかも。アルマロスのキャラクターとかはとても良かったし、文章量もさほど多くないから、読みやすいのは良かった。あと、「さらば哀しき獣たち」のキャラクターがゲスト出演しており、それほど印象深いキャラクターでないことから、僕が言うライターBが書いた可能性は結構高いと思う。