話が通じない人たち

 MTGがおかしくなった話という記事を読んだ。

 MTGは原初のTCGなのだが、バランス上に問題があったため、最近、プレイデザインチームというバランス調整のチームを開発部署に組織した。一方で、そのチームが稼働し始めてから、明らかに強いカードが増えてしまって、逆にバランスが崩れてしまっている現実がある。この原因として、優秀な人が集められ、テストを行っているので、そのチームの報告を真に受けすぎ、強力なカードも大丈夫だったと思い込んでしまったのではないかという指摘だ。本来であれば、デザイン途中のカードを限られた人数と時間でテストするのは限界があるため、過去の知見を優先すべきなのに、テストチームを信じるがゆえに、危険視されるカードを許可してしまったのではないかという仮説は十分に説得力がある。これらの情報は、公式発信している記事などで判明していることも考慮に入れているので、割と真に近いだろうと思う。

 しかし、その記事に頓珍漢な返事をする人たちがいる。

 例えば、プレイデザインチームは、テストプレイをしてバランスを調整する人たちなのだから、テストプレイをしたことでバランスが崩れるのはおかしいなんてことを言っている。確かにその通りなのだが、そういう逆転的な現象が起こってしまったという説明に、紙幅のほとんどを割いているのに、その記事にそんなことを書いてしまう人たちがいる。なんというか、現実でもたびたび見かける、話の通じない人たちなのだろうなと思う。率直に言って、恐怖を感じるレベルだ。

 おそらく、こういった人たちは、自分の主張を顧みることをしない。他者の視点を考えることをしない。理想とは異なる現実があるという可能性を認めようとしない。どうしてそうなってしまうのかわからないが、そういう人々がいる。どうして、そういう人がいる現実があるのに、人々は何かを積み立てようとするのか。そういう、通じ合えない人々に崩されたりするのではないかと思わないのか。思わないのだろうな。だからたびたび、人生が壊されたと嘆いている人がいる。そう、その通り。人生なんてものはそもそもが意味がなく、くだらないものだが、さらに狂人たちに壊される可能性のあるものだ。どうして、大事にしようとなんて思えるのかしらん。