過渡期

 最近、いくつかの漫画を読んだ。例えば、「青のフラッグ」。これは僕が正三角形と呼んでいる男→男→女→男の関係を描いていた作品で。最近はそのテーマを広げて、ジェンダー全般の問題をテーマとしている感じだ。「私の少年」は真面目なおねショタものとなっていて、これも性別の違いや、特に年齢の違いをテーマにしている。それで思ったのは、皆、自分に架せられた理想型みたいなものに疲れているのかなと思った。

 性別や年齢の問題は、それ自体が問題になるわけではない。例えば、ある人が男であったり、女であったり、或いは両者に当てはまらなかったり。それ自体が問題であるわけではないのだ。ただ、それが社会に持ち込まれた時、役割を期待されたり、押しつけられたりするから、問題が顕在化する。

 今、こう言った強制力は、十年前には考えられないぐらい弱くなっていると感じる。しかし、それは二十代以下の人々に限るだろう。六十歳よりも上となれば、驚くほどに保守的だ。もちろん、四十年も生きてきた時代が違うのだから、当たり前な話だが。だから、その世代では大丈夫だったり、技術的に制度的に問題がないとされていても、社会で衝突することが多いのだろう。けれど、そんな束縛を本来ならば、気にすることはないのだ。とはいえ、実際に、それを気にせずにいられるかと言えば、それは別の問題なのだろう。だから、皆、苦悩している。自分が望むものと、周りから望まれることに差違があるから。

 誰も、こういうくだらないことに苦しまなくていい社会になればいいな。