「メギド72」、それは突然、荒野のようなソシャゲ界に現れ、奇跡のシンデレラストーリーを歩み、ゲーム大賞を受賞した挙げ句、さんざんマスコット化するトンチキなソシャゲ……そのクオリティの高いシナリオは各方面から高い評価を受け、しかし、ライターの名は明らかに偽り(というか連名)だと思われ、その特定は出来ていない……今日は、個人的な趣味として、そのライターの担当シナリオについて考えていきたいと思う。もちろん、これは考察と言うより妄想の側面が強いものであり、実際とは大きくかけ離れている可能性が高い。あくまで、僕はこういう見方をしているというところを楽しんで(?)いただければ幸い。というか、ただのメモですね、これ。いつも通りだけど。
まず、僕は今年の正月から始めた勢であり、初のイベントシナリオは今や幻としなった旧『悪夢を穿つ狩人の矢』だ。つまり、最初の方はあまりイベントシナリオを重要視していなかった。それよりもメインシナリオが面白かったし、戦闘が楽しかったからだ。しかし、次第にそのレベルの高さに気付くようになり、『死を招く邪本ギギガガス』ではついに号泣。僕がやったソシャゲのイベントシナリオで一位に輝くということがあったため、ライターについても考えながらプレイすることになった。
故に、最近のイベント、その中でも自信がある部分から話そうと思う。
まず、前提として、僕は「メギド72」のイベントは二人のライターが書いていると思っている。仮に片方をA、片方をBと呼ぶことにしたい。なぜ、そう思っているのかというと、少なくとも最近のシナリオは、二つに分けることができると思っているからだ。
一つは、『忌まわしき「蒼の組曲」』と『死を招く邪本ギギガガス』等を担当しているライターAによる作品。これらのシナリオは構成がとても精密であり、まとまりが良い。伏線やミスリード、感情への訴えかけなどがとてもレベルが高い。また、理屈付けが上手く、データ的な要素がシナリオに組み込まれていることがある。モブは比較的薄味で、物語構成としての意味合いが強い。総じて理論的である。
一つは、『魔獅子と聖女と吸血鬼』と『さらば哀しき獣たち』等を担当しているライターBによる作品。これらのシナリオは要素を上手く取り込んではいるのだが、イマイチまとまりが悪く、特にクライマックス、エンディングにカタルシスがないことが多い。構成も少しぼやけているように感じることもある。しかし、キャラクターが魅力的に描かれていて、愛されるモブが生まれることが多い。総じて感情的である。
こういった特徴があると思っており、例として挙げた作品は比較的そのライターが書いたと可能性が高いと思ったものだ。これらは、上記以外にも多くの共通点があったため、少し自信がある。そして、それを前提とし、僕が始めたところからのイベントを見直してみたところ、ある点に気付いた。それは、ライターが(リライトを含め)イベントを交互に担当しているらしいということだ。
一般的に外部ライター、あるいは新人ライターが担当していると思われている旧『悪夢を穿つ狩人の矢』は除いた僕がリアルタイムでやったイベントのライター考察は以下の通りである。
・夢見の少女が願う夢……A(?)
シナリオが理論だっていて、シンプルながらにまとまっている。おそらく、Aが苦手だと思われる恋愛要素をメインとする必要があったために、三角関係を含めた問題を作り、それを解決する形を取ったのではないか。サーヤリジェネの予防を始めとしたデータ的な部分をシナリオに組み込んでいることからもAと推測。確度は低め。
・悪魔の勝負師と幻の酒……B
シナリオのまとまりのなさやキャラクター性の高いモブたち、復刻前逃走編のオマージュといったサービス精神の良さからBと予想。
・(再復刻)暴走少女と一つ目幻獣の島……A
ドネ・ルケ・バブという幻獣のギャグのような名前をシリアスなシナリオとしてまとめ上げる手腕と、ダークながらに短くまとまっていて、プーパの哀れさという点が上手く表現されているため、Aだと思っている。
・キミに捧げし大地のソナタ……B
全体的にはかなり好きなシナリオなのだが、最終的にアリキノを倒すところにまで繋がるロジックが弱い気がした。また、アリキノという人気の高いモブが生まれていることや、サタナイルとバルバトスの描写が上手かったため、Bの可能性が高い。
・その交渉は平和のために……A
全体的に上手くまとまっており、複数人の思惑が複雑に入り乱れているのに、ヒュトギンのキャラストにも繋がるという非情に高度なシナリオであり、Aぐらいの実力がないと書ききれない題材だと思う。
・見習い女王と筋肉の悪魔……B
マルチネ、ハックの関係性は良く、チリアットもちょっとだけ登場している。また、ウァプラの意見(理論)について、少し議論が上がったように、理屈が厳密でないように思えるため、ライターはBか。
・忌まわしき「蒼の組曲」……A
サスペンスのようなしっかりとしたシナリオ。全体的に完成度も評価も高かったように記憶している。Aでなければ書けないのでは。
・魔獅子と聖女と吸血鬼……B
イオドという魅力的なモブ。動機付けの甘さ。クライマックスのリジェネレイトに対する理屈が上手くまとまっていない感。牢獄に閉じ込められるメギド。芳醇なBの香りがするシナリオだった。
・死を招く邪本ギギガガス……A
ゲームシステムを利用したミスリード。流れるように変わる小目的とその違和感のなさ。絶妙な情報公開。シナリオのためならサバトメギドですら途中退場させる容赦のなさ。理屈が通った行動原理。最後のカタルシス。これはAです。
・さらば哀しき獣たち……B
『魔獅子と聖女と吸血鬼』との共通点。「カノン&マジック」のオマージュがあることや、チリアットやエンキドゥが魅力的に書かれていること。少し明るめの雰囲気に、チリアットの自爆などの最後の理屈付けの甘さがBを思わせる。
・(復刻)悪夢を穿つ狩人の矢……A
すでにあらゆる要素が決まっている中から、素晴らしいシナリオを紡ぎ出すレベルの高さ。クライマックスに向かう中での、リジェネレイトのキャラの回想でのシーン(ギギガガスのギガスとベリトの会話に類似)。Aかなと。
・折れし刃と滅びの運命……B
全体的に、理屈が上手く通っていないように感じたのと、クライマックスのぼてぼて感なんかがBっぽい。なんか、シュッとしてないんですよね、良くも悪くも。
と、綺麗に交互なのだ。別に僕が個人的に好きなシナリオをAに、割とそうでもないものをBに、恣意的に割り振っているように思われるかもしれないが、実際、時系列的にそうなっているのだから、単純に交互であると考えるのが妥当だと思っている。みんなはどう思っているのだろうか。
また、最後に補足がある。上記はイベントライターの話だったが、メインライターについても僕はいくつかの考えを持っていた。
一つは、メインは別の人間が主に担当しているというもの。しかし、その割には6章3節のようにあまりにも時間がかかっている部分があるのが、少し気がかり。
一つは、Aがそのままメインを担当しているというもの。しかし、イベントが交互なのに、メインまでAがやっていれば、Aの負担は相当なものになる。
一つは、複数人が担当しているというもの。今、僕はこの案を推している。もちろん、監修というか、全体的なプロット、大筋の管理みたいなものは、一人が責任を持っていて、アイデア出しは複数人とか、色々あるだろうけれど。けれど、実際にシナリオを書いているのは、交互なんじゃないかと思った。記憶があまり鮮明ではないので、確証は得られないのだが……
・6章2節……A
・6章3節……B(?)
・7章1節……A
・7章2節……B
なのではないかと思っているのだ。7章1節はシナリオのレベルの高さに驚かされたのが、正直、7章2節はそうでもなかった。全体的な筋は通っているのだが、細かい部分で理屈がないように感じたのだ。しかし、ウィチセやカイルは短い登場時間ながら、魅力的だった。これはBの特徴ではないか。指輪の例のあれとか、そういう大筋は決まっていて、実際に書いたのはBなのだと、今では思っている。
ここまでの話は全部僕の妄想であり、全然違う可能性は十分にある。毎回別の人に外注かもしれないし。ただ、ここまで交互であると、可能性は高いと僕は思っているし、ライターAとBの次のシナリオを楽しみにしている。本当は、全てのシナリオを考慮に入れるべきなのだろうが、そこまでの時間がないことや、記憶が曖昧なこともあり、外してしまった。イベントシナリオが読み返せるようになったら、また、全体的な考察をしたいと思っている。とても長くなってしまった個人的な妄想を、ここまで読んでくれて、ありがとうございました。
・追記
6章3節は少なくともメインライターがAではないかという話をいただいた。そこは確かに確証があまりにも無かった点であり、完成度や文章の癖から観ても、今、冷静になって思えば、Aと考える方が自然だし、可能性は高いと思う。ゆえに、7章から更新速度が上がったことからも、7章以降はメインシナリオをAとBで交互にやっているという可能性が高いと思われる。僕は上記を書いている時、そう言えば、7章2節にはBっぽさがあったな、と思い出し、逆算して6章3節をBと書いてしまったので、勢いで間違ってしまった。訂正したい。ただ、僕の愚かさを残して置くという意味でも、上の記載は残して置こうと思う。現在の推定は以下の通りです。
・4章~6章……A
(6章3節に想像以上の時間がかかったことから、メインを交代制に)
・7章1節……A
・7章2節……B