最初に葬式考えた人は天才だと思うね

 人が死んだので葬式に出ることになった。葬式、苦手なんですよね。なにが苦手って、あんな大の大人が集まって、なんかシュールな儀式を延々と繰り返しているから、どうしても笑いたくなるのに、笑ってはいけないし、真剣な顔をしてなくちゃいけないので、どうにもならないのが嫌。

 だって、おかしくないですか? 本人死んでるから、本人はどうでもいいわけで。生前どうしたいって言っていたかもしれないけれど、そんなはもう知覚しようがないんだから、なんでもいいし。わざわざみんなで黒い服を着て、何故かお金を持ち合って、香を焚いて、見知らぬ坊主頭の人間を読んで、謎の呪文を唱えてもらうんですよ? シュール過ぎませんか? これ、誰が救われてるんですかね。よく、葬式は残された人のためのものとか言うけれど、各々が自分の部屋で考察やら瞑想やらしてた方がよくなくないですか? 意味わからん。

 故人のゆかりのある人たちが集まって、話をするぐらいとかのところはわからんでもないですけどね。まあ、これも故人をダシに集まってるだけだけど。

 なんか、こういうのが当たり前で、ちゃんとしたことだって洗脳されてしまって、それを冷静に考え直すことができないから、こんな巫山戯たことをし続けることができるんですよ、みんな。本当に、馬鹿みたい、というか、馬鹿なんだけれどさ。

 いいじゃん、もう。そいつは死んでしまったんだから。次は僕か君かが死ぬってだけさ。それだけがこの現実における真理なんだ。