どこか諦めていない

 なんというか、どうにかならないのかという気持ちがある。つまり、なんというか、諦め切れていないというか、どうにかならないのかなぁ……

 諦めてしまっている人は結構いるだろう。ただ、自分の思考を鈍らせて、事実から目を逸らして、顔を埋めて嘆いてばかりの人が。そういう人と一緒にしてもらいたくはない。確かに、事実に絶望しているし、刃向かう方法を知っているわけでもないし、嘆いてもいる。けれど、どこか諦めていない。というのも、本当に諦めるのならば、その時点で死んでしまえばいいと思うからだ。辛くなったら、酒に頼って全てを曖昧にするというのなら、死んでしまえば全てが無くなるじゃないか。どうして、そちらを優先しないのだろう。

 確かに、この現実は、その物理法則は、どうしようもない事実を突きつけてきて、それを受けて僕はどう振る舞えばいいのか、まだわかっていない。実感はしていない。しかし、身を振る方法がないとは思っていない。いずれ、無矛盾であると感じられる状態に、幸福だと思えるような状態に、なれるかもしれないと思っているのだ。だから、その時まではしっかりとした思考を保っておきたい。揺るがしようのない事実と向き合っていたい。それがどんなに憂鬱な戦いでも。変化を続けていきたい。それがどんなに微々たるものでも。それがただの自己満足だとわかっていてでさえ。