「サイズ 大鎌戦役」に関して

 僕はボードゲームが好きだ。シンプルで新しい知見に満ちたゲームも好きなのだが、重量級(プレイ時間2時間前後ぐらい)のゲームが結構好きで、「サイズ 大鎌戦役」もそれに分類される。こういうゲームはそもそもプレイの機会がないのが一般的であって。アナログゲームに興味ある人間っていう時点で限られているのに、重ゲーでも大丈夫な人、それが複数人、多くの時間となると、かなりレアになってしまう。それでも幸運なことにプレイできたのだが、とても面白かった。

 要素自体はシンプルに出来ていて、「ドミニオン」みたいに今までなかった斬新な要素があるというわけでもない。既視感のあるメカニズムが多い。それでも、それぞれが丁寧にわかりやすく配置されており、全体の完成度が高い。しかも、アートワークが最高で、カードの絵を見ているだけでもワクワクできる。端的に言ってしまえば、ディーゼルパンクが最も近いのだろうけれど、一言に納めきれない魅力がある。

 しかも、デジタル版があるので、わかりにくいルールの確認も出来る。それでルールの確認をしていた時に感じたのだけれど、何というか、確実に実際の物質でやるよりも楽しくなかったのだ。視覚的な、感覚的な体験というのは、それだけでゲームへの期待度や楽しさを上げていて、唯一無二の面白さを生み出しているのだな、ということがよくわかった。

 拡張も色々あるらしく、とりあえずキャンペーン(ストーリー込みで連続プレイが出来る)モードが入っている拡張を買ってみた。ボードゲームはなかなか再販しないゲームも多く、基本セットがかなり出ているゲームですら、拡張はほとんど再販せず、プレミア価格がついているゲームがざらにあるので、気に入ったら買った方がいい。例えば、アグリコラという有名なゲームの第一拡張の日本語版は、定価が五千円ぐらいだったのに、アマゾンでは(誰も買わないだろうが)15万円で出ているほどだ。

 こういう重いゲームが出来る環境は、本当にありがたいと思う。大切にしていきたい。この三連休は台風なので、ボードゲームには最適な日々と位置づけて、色々と遊んでいきたいと思う。