我慢に関して

 昔から妙に我慢が出来ない性格だ。なんというか、元々、そういう本能的なものに弱く、知性がないのだと思う。

 例えば、吐き気なんか、めっちゃ苦手でうげうげ言いながらすぐに泣き出す。体調が悪くなるとすぐにダウンする。それなのに、体が弱く、年一以上で高熱を出すものだから、たまったもんじゃない。この間、ドイツから帰る時の飛行機の中、着陸時にすごいトイレに行きたくなったのだけれど、着陸時だから封鎖されていて、その割に空港着いてからも飛行機がずっと動いていて、トイレに行けず、めっちゃ苦しんでいたら、隣の席の人にすごい心配されてしまった。うめき声がすごく不審者になっていたらしい。そういうのも、我慢出来ない。

 というか、厳密に言うと我慢する必要がないんじゃないかと思ってしまう。別に弱々しい声を挙げていても、周りから不審者に思われていても、どうせ、その人たちにはもう二度と会わないし、それなのに、我慢する必要ある? みたいな。この感覚が極端なところまで行くと、電車で見かける不審者になるんだろうなというのがわかるので、正直、彼らを正面から否定できない僕がいる。

 欲しいものを我慢するのも苦手で、ゲームの発売日が待ちきれなかったり、誕生日プレゼントのゲームが待ちきれなくて、数日早めてくれないかと交渉したり、と小学生の頃からそんな感じだった。我慢出来ずにその日からRPGツクールで似たようなゲームを作り始めた時もあった。完全にアホだ。大人になってからも基本的には変わらず、本当に欲しいものは速効で買う。物欲がめっちゃある人間だったら、とっくに破産していると思う。その点は良かった。ギャンブルとかガチャとかにはあまり熱中できない人間なので。

 どうにも品位が無くて困る。こうやって、本能的なものを抑制する因子が弱いから、死の恐怖みたいなものも強く感じてしまうのだろうな。論理的には怖れる必要がないとわかっているのだから。それでも、我慢出来ずに怖がってしまう。知性の敗北だ。