政治経済への苦手意識に関して

 僕は政治経済が苦手だ。それはテストの点数が取れないというわけではなくて、単純に興味がなく、嫌いだという意味で。

 単純な政治学、経済学自体はそれなりに興味があり、勉強もしたのだが、現実のそれには全く興味がない。なぜかと言えば、そこには正しさや必要性なんてものは関係なく、ただ、現実の権力や利益関係で決まってしまう世界があるからだ。

 本当に馬鹿げたことだと思うが、今の制度ではそうなってしまうのは仕方がない。今や未来の国民がどうこうとか、世界がどうこうとか、環境がどうこうとか、そんなことで政策は決まらない。単純に権利をより持っているところに、より利益が生まれるようになる。それを腐敗だとか、愚かだというつもりは全くない。現在の制度を理論的に捉えれば、そうなることは明らかだからだ。

 だから、僕は政治に怒っている人間や興味を持っている人間を理解することができない。その怒りや正しさが世の中をよくするとでも、本気で考えているのだろうか。その考えや理論が間違っているか、正しいのかすら関係がなく、パワーバランスによって、利益が分配されるという単純な原則に立ち向かっていけると思っているのだろうか。ただでさえ、世界は多面的な複雑系であり、なにがどこと関係しているのか、現代科学でも把握しきれないというのに。

 ゆえに、僕は絶望する。科学のように、現状、最も正しいと思われることに意味がない世界に。理論的な正しさが意味を持たないなら、もう、自由にやっていてくれ。それは宗教と変わらないのだから。