曲というか情報を聴いていることに関して

 よく思うのが、僕は曲を聴いているのではなくて、情報を聴いているのだろうな、ということだ。

 説明すると、僕はあまり、曲を聴いていて、それがいいなと思うことが少ない。そうではなくて、ゲーム中に聴いたり、MADで聴いたり、OPで聴いたり、とその音楽単体ではなく、なにか別の情報が付随している状態で聴いて、好きになることが多いのだ。その場合、それ以降にその曲を聴いた時に、その情報の再生も含め、いい曲だと感じているのだと思うのだ。

 これを自覚したのは、あるMADの曲を調べていた時だ。そのMADがかなり好みであり、なによりも使われている曲がいいと思った。最初にイントロを聴いた時から、ああ、僕はこれが好きだなと思うぐらいに。その出会いに感謝しながら、曲を購入しようと思ってiTunesで検索したのだが、なんと、すでに自分が使っているiPodに入っているじゃないか。調べて見れば、そのアーティストの別の曲が聴きたくて、アルバムごと購入していたのであった。けれど、アルバムを通して聴いても、目的の曲ぐらいはイマイチに感じて、あまり聴いていなかった。これは結構、僕としては衝撃的だった。好みに合致するような曲ですら、しっかりとした意識を向けていなければ、僕はその曲をちゃんと聴くことが出来ておらず、好きになれないとわかったからだ。

 きっと、僕は解像度の低い世界で生きている。それは音楽ですら例外ではない。