「呪術廻戦」が割と好きなことに関して

 僕は現在、週刊少年ジャンプに連載されている作品が割と好きで、特に「Dr.STONE」「アクタージュ」「呪術廻戦」「チェンソーマン」は最新巻まで追っている。今回は「呪術廻戦」に関して話をしたい。

 

 よく言われているように、この作品は「BLEACH」枠に収まるだけの能力があると思う。確かに、師匠ほどのキャラデザ力やセンスが今のところあるとは思えないが、少し奇妙だが愛着がわく範囲のキャラクター設定や、シリアスなシーンでもそれを壊さない程度のシュールな会話など、「BLEACH」に近い読み味がある。

 さらに、ジャンプとしては王道の、最強存在が主人公の内に秘められているタイプ。これは物語を展開させるにも有利だし、いろいろなバリエーションに派生することができる。今作はかなり邪悪な存在となっているので、「NARUTO」とも違った方向に行くだろうから、ワクワクする。

 呪術を作品のコンセプトとして使っているから、ダークファンタジーとしての雰囲気が上手く出ていると思う。画風もマッチしていて、違和感がない。

 概して、王道な設定の詰め合わせではあるが、ツギハギのような印象を与えず、独特の雰囲気を獲得することに成功している作品だと思う。今のところ、物語的に特別新しい試みをしているわけではないが、余裕が出てきてから、色々と試して欲しい。その萌芽は見受けられるように思うから……

 

 個人的に一番好きなのは、「呪術廻戦0」。ほら、いつもそうやって前日譚とか外伝とかの方が面白いでしょ、みたいなオタクムーブをする……でも、そうなんだから仕方がない。

 やはり、シンプルにまとまっているというのが良いし、本編に繋がるための要素が多めになることが多い。つまり、前日譚とか外伝はその実、制限が多く、その中でどう話を展開するのかと考え、動いていく様が僕好みなのだ。

 あと、「装甲悪鬼村正」のように、主人公が悪い顔をしていて、ラスボスが正義っぽいことを言っているのが好き。

 

 そんな感じで、今のところは楽しめている。これから、さらに独自性を伸ばしていくのか、連載によって棘が削られ凡百の作品と並んでしまうのかの分水嶺が訪れるだろうと思っている。