多層の物語が好きなことに関して

 多層の物語が好きだ。僕の言うそれは、つまり、「はてしない物語」のようなストーリーということ。二重に世界が存在して、平行して語られていくとなお良い。

 この好みは、少年期に、「ネシャン・サーガ」や「失われた記憶の博物館」を読んだり、「テイルズ・オブ・シンフォニア」に「クロノクロス」といった二つの世界を行き来するゲームをやったことがきっかけなのだと思う。以来、僕は二つの世界の物語、その複雑性に興味を持ち続けてきた。なにも、これらのように物理的に異なる世界である必要もない。「都市と都市」みたいに文化的、精神的に重なっていてもよい。劇中劇もそれゆえに好きで、「やがて君になる」、「少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト」のような作品もまた好きだ。「マトリックス」もある意味ではそうだと言えるし、まあ、その範囲はかなり広いと言える。

 単純に人々の関係性や物語が複雑になるが、多重であるということは、同時にそれぞれに共通点も存在しているということなので、複雑さにしては理解しやすいと感じるのだよね。これはかなりの武器になると思っている。