ヒロインの流行りの傾向に関して

 どこでも散々言われていると思うけれど。

 まず、僕がオタクになってから明確に属性がブームになったなと感じられたのは、ツンデレが最初だった。確か、原初が「君が望む永遠」の大空寺あゆだって聴いたことがあるけれど、その言説は本当なのだろうか。少なくとも、「仰せのままにご主人様」(後になって驚いたけれど、文学少女シリーズ野村美月がライターやってる)では、ツンデレが跳ねっ返りと表現されていたことを覚えているので、その後に普及したと思っているのだが。このツンデレという属性は主人公への愛情はあるのだけれど、それを表に出せなくて、邪険に扱ってしまったり、時には暴力的な行動に移ってしまうというものだった。これのコアは、どんな行動をしていても、本質では主人公のことが好きという側面であると思っていて、ゆえにオタクに響いたのではないかと思っている。

 けれど、それは過激化していき、ヤンデレのブームが、一時的にだが存在した。それは主人公が好きすぎて、猟奇的な、あるいは精神病的な行動を取ってしまうというものだ。これはツンデレに対してのカウンターの意味合いもあると思っていて、本当に好きならそれに即した行動があるはずだという思いや、さらに好きになって欲しいという思いが反映された属性だと思っている。こう書くと、僕もオタクながらにキモいと思ってしまうな……

 まあ、それはさらに過激化、あるいはマイルドになり、現在の母性キャラクターブームに繋がっていると思う。ヤンデレの場合、いくつかの問題があって。そこまで惚れる理由がないと説得力がないとか、本当に好きなのに(思い込みにせよ)主人公に危害を加えるのか、という障害が生じてしまうと思っている。これを母性とすることにより、無条件の愛情、そして、それに伴う甘やかしへと繋がる。それはもう、行くところまで行ったというか、落ちるところまで落ちたという感じで、これより先はないんじゃないかとすら思ってしまう。

 こんな感じで、主人公に対する好感度がより強く、それがわかりやすく、無条件化してきている傾向にあると思う。だから、母性の次に流行る属性は、その延長線上にあるのかもしれない……教祖に対する信者ぐらいしか残ってない気がするけれど……