執着と好感度

 これ、本当に自分でもキモイなと思うのだけれど、シンエヴァで一番好きになったのは、鈴原サクラなんですよね。いや、もう本当にアレなのだけれど。どうにも、執着を持ったキャラというのが大好きで、旧エヴァでは圧倒的なアスカ派だったのだけれど、新エヴァの方のアスカにはあまりピンと来ず、むしろ、一番好きなヒロインはカオル君まであるな……とか思っていたのだけれど、最後の最後にぶっ刺された。

 なんというか、僕がいわゆるラブコメにあまり興味ないのって、これかもしれないなーと思った。ラブコメのヒロインたちの主人公への執着って、結構薄くないですか? 割と代替可能だよなーと思ったりするし、そこまで主人公にこだわるのは、キャラクターの心情というよりは、作者や編集者の意向だろう、と思ってしまうことがままある。なので、多重的な感情を抱えて、強い執着を持つキャラクターに惹かれる。

 エヴァ全編を通すと、一番好きなのは、冬月先生だ。彼は新旧問わず、一番ぶれていないと思うし、すごい利己的である一方で、結果として胡散臭いと思っていたゲンドウのためにもなってしまって、最終的には共犯者みたいになっているところがいい。感情は多重的だけれど、行動原理自体はシンプル。こういうキャラクターが好きだな。ゲンドウ自身も結構好きだ。世界なんてどうでもよく、自身の欲望に向かって動いているだけだもの。鈴原サクラの行動も、それに類している。

 人生を駆動できるのは、執着だけなんだ。それがなく、全て論理的に考えるなら、苦悩を覚えた瞬間に、人類は死すべきとなってしまう。そうじゃないのは、執着があるからでしょう。そういうのが中心にあるキャラクターが好きだ。