自由度に関して

 僕はなにを怖れているのかとずっと思っていたのだけれど、結論が出た。僕は自由度がなくなることが怖いのだ。

 例えば、金銭自体に興味はないのだが、それによって、僕の自由度が制限されてしまうことが怖い。特に、僕が大事だと思っていることについて。それは映画の公開日にIMAXで映画が観られなかったりすることだったりする。自ら行動したことによって、自由度がなくなり、拘束されてしまうことが怖い。

 そう言えば、社会人になってすぐに怖くなったこともそれだった。僕はずっとこの場所に通って、ずっとこの仕事をして、定年まで平日はこれに時間を奪われるのだと考えると、怖くて怖くて仕方がなかった。

 思うに、僕にとって最大の恐怖は死で。なにかを制限されるということは、間接的な死を想起するのだろう。牢獄のような場所で一生を過ごすとしたら、それは死でなく、なんなのだろう。

 しかし、別にそれは縛られてもいいという要素も存在する。僕にとって、大切な自由だと思っていること。それを守るためなら、比較的どうでもいい自由を捧げることは出来そうだ。なにを求めているのか。それをよく考えて、見失わないようにしなければならない。