この間、実家に顔を出したら、どうやら車を買い換えようとしているらしい。今のフリードは５年くらいしか乗っていないはずだし、別に不便を感じているようではない。つまり、見栄で車を買い換えようとしているのだ。
僕の父の困ったところがこれだ。彼はコミュニケーション能力に長けておらず、あまり人付き合いはないが、どうにも見栄っ張りというか、矜恃が強いのだ。それゆえに、ＭＭＯを廃人プレイしているし、あるいはそうであっても、仕事をしっかりとしている。これは、明らかに他人からどう思われるかを考えての行動なのだ。
最近、仕事の方でそれなりの昇進をしたようで、彼はきっとそれに似合った車にしようとしているのだ。貧乏な時代ですら、パジェロに乗っていた男なので、虚栄がぶり返したとも言えるが。僕はそんなところが本当に嫌いで、物心ついた時から、距離を置いている。
他人の目を気にしている人間は、どうにも自分で考えていないように思えてしまうのだ。だって、他人なんてどうでもいいじゃないか。そこに生きる理由を依存している人を見ると、そいつが死んだらどうするつもりなんだといつも思ってしまう。この世界で自分以外が死んだら、他人や社会を生き甲斐としている人は、それをなくし、死んでしまうのか？ ナンセンスだと思う。
人が嫌いなのに、人付き合いが苦手なのに、人の目を気にしたり、他人がいないと生きていけない人も多い。僕はそういう人たちが本当に苦しんでいる様を見ていたので、生まれ持ってきた独り体質に救われていると思う。本当に、明日の朝、人類が僕以外消滅していたら、嬉しすぎて泣いちゃうもんな。これは物心ついた時から変わったことがない。
