物語に必須の要素
最小単位の物語というものを考えていて、物語にはキャラクターが絶対に必要なのでは、と思った。人あるいは擬人化された存在と考えても良い。それが存在しない物語ってありますかね? 風景の描写とかしかできない。しかも、山とかに人格を持たせてはいけないし……
要は、こう思ったわけです。物語というのは、原因を見つけたいという人間の原始的欲求を満たすためのものだという仮説が僕の中であったんですね。人間は脳が知らない行動に対して、勝手に理屈を付けたりするので。分離脳とかで調べると事例がいくらでも出てくるんですけれども。でも、それと同じように、自身の投影や反射としての、物語という側面があるのではないかと。人間などの高度な知的活動をする動物は、いわゆる擬人化ができる。脳の中でシミュレーションができる。それが物語に繋がっているのではないかという意見なわけです。シミュレーション自体が物語と取ることができるかもしれない。これも、人間がこんなに繁栄した大きな理由の一つで、実際に未成熟な人間はこの能力が劣っている。幼子に実験するとすぐにわかる。
どうして、こういうことを考えているのかと言えば、僕には最高の物語が知りたいという欲求があり、そのためには物語の研究をする必要があると思っていて、そこに必要な仮説ではないかと思っているわけです。なんかどっかの大学がやってくれないかな。ハリウッド脚本術みたいなのが、一番近いのだろうけれど。金になりそうな研究分野なのに。