仕事のチーム

 いろいろとネットの海を徘徊している時に、偶然見つけた記事があった。

 そこには、Googleのプロジェクトの概要が書かれていた。そのプロジェクトを「Project Aristotle」という。「全体は部分の総和に勝る」というアリストテレスの言葉から取られたこのプロジェクトは、チームの成果を上げるには、どんな要素が大事なのかを調べるためのものだった。その詳細は公開されているのだが、結論としては心理的安全性が一番大事というものだ。これは非常に納得できる回答だった。同時に、色々と驚くことがあった。

 まず、Googleがこんな実験をしていて、それを公開しているということだ。もちろん、メリットがあってのことなのだろうが、実験の手順や思考の流れなんかも公開されていて、当たり前のように頭の良い人たちが携わっているだけはあり、レベルが非常に高い。自他共に認める知の巨人である矜恃があるのかもしれないが、こういうことを公開してしまうところが、この企業の並々ならぬ能力を示している。日本じゃあ、ねえ?

 次に、こんな実験結果があるというのに、それを参考にしていない組織が存在することだ。僕なんかが組織の長なのだとしたら、すぐに実験するけれどな。そもそも、現在の組織の形状が良いと考えているグループがどれだけ存在することか。ほとんどないだろう。でも、余力がなくて、変化に対するバイアスもあるから、なんだかんだ効率の悪い現状を維持してしまっているというのが本音だろう。そこにGoogle様が研究してくれた結果がある! なんで、飛びつかないんですかねぇ……

 世の中、理論的でないことが多すぎる。なによりも、そんな理不尽な形態のままでいいと思っている人間が多すぎる……なるべく、この社会と関わらない集団をつくるしかないのかな。社会の一員であることに、恥すら感じ始めているよ。