目的と手段が逆転している

 皆、創作をしている人は、何か表現したいものがあって、自分の内からこみ上げるものがあって、それを出力しているわけでしょう。僕はそうではなくて、だだ、日常に価値を見いだせなくて、意味があると思えるのは空想の世界だけで、だから、この無意味な人生を架空の何かに費やしたいと思っているのだけれど、それはただ、因果の逆転した思いだから、実を結ぶことはないだろうと思っている。逃げているんだもの。

 この現実はあまりにも空虚な本質を持っているのに、皆が虚飾にまみれさせて、意味があるってことにしようとしている。仮想は元々意味なんかなくて、その上で本質を作り上げていくことが出来る。空想は架空であるがゆえに、この現実の虚無から距離を置くことが出来ていると思うんだ、僕は。でも、理論的に考えて、それしか意味がないからそうしましたなんて、弱い理由で、どんなことがなし得るって言うんだ。