褒められるのが苦手

 どうにも、褒められるとむかむかして落ち着かなくなってきて、次第にその人が嫌いになってきたりする。どうしてかということを考えていたのだけれど、きっと、僕はその人や、その背後に存在する社会みたいなものが嫌いで、そこから褒められているのが気にくわないのだと思った。僕が唾棄すべき相手だと思っているものから、褒められる。それは敵に塩を送ってしまったということでしょう。僕はきっと、それを許していない。何よりも、そんな温い真似をして、大嫌いな社会に迎合しようとしている自分自身が。

 きっと、覚悟が足りないのだろう。社会に与する覚悟も、社会に刃向かう覚悟も出来ていない。ただ、こんなのは理論的に間違っているとかいいながら、今は協力しなければ死んでしまうなんて嘘をついて社会と付き合っているのだ。なんて、くだらない態度なのだろう。