興味が失せていく瞬間に関して

 僕は頻繁にその感覚を味わう。

 たとえば、じっと熱中しているゲームがあったとして、それをやっている時は、本当に必要最低限の生活以外は、ずっとそれをやっている。暇があれば、それをやっている状態だ。でも、ある時、突然にその感覚が訪れる。そうなると、もう急に興味がなくなってしまう。二度と起動しないことも多々あるし、やり続けるにしろ、ペースは急激に落ちてしまうのだ。

 厳密な理由はわかっていないが、きっと、大きな一つとしては、そのゲームを理解してしまったことが上げられる。理解した後のゲームは、ただの作業になってしまう。想像の範囲でしか物事が起こらないから、それをプレイする理由がなくなってしまうのだ。確かに、僕はまだエンディングに到達していない。でも、この先はただボタンを押し続けるだけになった戦闘を続けて、オチがわかった茶番劇を延々と見せられることになる。そう思うと、急にやる気がなくなってしまう。自分の胸に溜まっていたはずの情熱がさっと音を立てながら、地面へと漏れ出ていくのがわかるのだ。僕は作業が嫌いで、修行も苦手だ。だから、僕にとってゲームの賞味期限は、それを理解するまでとなっている。その先には、虚無しかないから。

 ああ、こうやって文章に起こすと、僕の心理がよく理解出来るな。そうか、僕は自分の人生を理解してしまっているのか。だから、作業しか残っていなくて、ただ億劫なんだな。この先、大抵何があるのか知っている。それを崩すために色々とやってみてはいるけれど、ゲームオーバーが怖くて極端な行動に移せないから、飽きが来るのが早くなっている。死の恐怖と飽き性は僕の邪魔ばかりする。しかし、僕の思考の根幹にあるのだから、どうしようもない。上手く付き合っていくしかないんだろうな……