「Detroit : Become Human」に関して

 はまりまくって、休日を生け贄に捧げ、エンディングを召喚した。僕はアンドロイドが好きなので、初回は平和的なエンディングに。とても素晴らしいゲームだった。

 演出力がすごいんですよ。普通に映画に匹敵するレベルで、和ゲーの中途半端に映画目指して退屈になっているのとは違う。ちゃんと、人の心を動かすことを考えた演出なんです。演技もすごい。思わず、見入ってしまう。

 あとは、この複雑で大量な選択肢。各章のフラグが絶妙に絡み合っていて、どの選択肢も気が抜けない。ちょっとしたアクションでも、失敗した場合、その先のルートにいってしまうので緊張感がすごい。すぐにゲームオーバーになるのなら、それでいいじゃないですか。やり直せばいいので。でも、その先に物語があるのなら、リセットできなくなる。自分の選んだ選択肢を後悔したくないのが人間という生き物の特性だから。その、圧倒的な物量と質による選択肢の重さだけが、ゲームに真剣をもたらしており、物語の感動を底上げしている。本当にすごいや。

 また、ゲームにおいて、プレイヤーは至極変な動きをするものであり、それをアンドロイドだからと言い訳できる構造が素晴らしい。プレイヤーは大事な場面なのに、調べ残したことがないか確認するためにうろうろするし、謎の壁に阻まれて変なところには行けないし、誰かから話しかけられても選ばれた内容の言葉しか話すことができない。でも、それはロボットだからなんですよ! 納得。

 こういう、誰もが見ないことにしているシステムの制限における作中上の不具合を、上手く物語の中に組み込んでいる作品は本当に好き。メタ系の作品が好きな理由の一つ。やっぱり、僕は理由のない何かを受け入れることに忌避感があるようだ。