世界を単純化することに関して

 どうやら、僕の脳は物事を単純化することが得意のようだ。乱雑に見える複数の結果から、限られた法則を見つける。それが得意だと言える。実際に、法則性を見つけるというようなIQテストの項目が一番正答率が高かったし、普段の生活でもそのようだということがわかる。そして、僕の脳は同時にひどく飽きっぽい。常に何かを考えていないと退屈でしょうがなく、すぐに嫌になってしまう。どうやら、これが悪い方向にかみ合っているようだと、気付き始めた。

 この世界はたぶんに複雑なものだ。ゲームや作品もそうで、細部に目を懲らせば、多大な情報が埋まっている。けれども、僕はおおざっぱに全体を把握する方に処理能力を使ってしまって、詳細を見極める方には行かないようなのだ。だから、ゲームもさわりをやればすぐに飽きてしまうし、底の知れたアナログゲームは一度やれば十分だと思ってしまう。そのせいで、次へ次へと燃料を補給しないと、すぐに退屈になってしまうようなのだ。これはまずい。世の中のあらゆることがすぐに作業と化してしまって、それをやる意味があるかどうか、悩み始め、やる意味がないという結論になってしまう。よく、そういう人への対策として、ゲームとして考えてみましょうとか、面白い部分を探してみましょうとか、そんな回答が用意されている。けれども、僕の脳はそういったことに向いていない。大量の情報から少数のコアを取り出すものなので、細部から必要なものを取り出してみせたり、自分で何かを組み立てたりすることが出来ないのだ。

 何をするのが良いのだろう。この社会は、自分の人生で一つ、打ち込むものを見つけたら、人生をそれに捧げることを推奨しているように思える。物事をすぐに習得できるが、それに飽きてしまい、別のものへと移ってしまう人間に向いている社会ではない。特に、この現代日本では。僕はどのように生きていければいいのか、その道筋がいつになっても見えてこない。楽しいことだけをして生きていたいだけなのに。