そんなに知識がない状態で何千万の買い物ができる胆力はどこから来るんだ

 家、色々とやったがどうにもならないことだけが明らかになった。リフォーム費用が建て替えるレベルぐらいまでかかってしまいそうだ。そう上手くはいかなかった、という話。色々と奔走した時間がもったいないだけだった……損失が大きい。

 とはいえ、家について色々と調べられたのはかなり身になり、2ヶ月前とは比べ物にならないぐらい詳しくなった。僕は、こういうところがあり、比較的広い範囲で薄っぺらい知識を増やしていくことに定評がある。最悪、住宅系の企業に転職できそうなレベル。

 そして、明らかになったのは、皆、住宅のことを全然勉強していない、ということだ。営業の人だってそうだし、家を建てる人もそう。実際に建てている人も、入ってきた時の技術や知識で止まっている人が多いみたいだし、詳しそうな人も何となくのイメージでものを言っていて、ちゃんと新しい論文やデータを読んだり、実際に計算式に当てはめて計算したりしている人は少ないのだ。なぜなのだろうか。思ったよりも統計的な公式のデータがなくて困ることはあったが、それでも一定の論文のレジュメやデータは公開されていることが多いのに。

 きっと、単純に業界の人は忙しすぎるのだろう。そして、別に勉強しなくても、客は買ってしまうのだろう。彼らもまた、細かく調べたり、自分の場合にはどうなるのか計算したりするのが面倒で、信頼したい人の言うことを信頼してしまうのだろう。

 そう考えると僕は、きっと、必要のないコストをかけて、自分で勉強したり、計算したりして、どうすべきかを判断しようとしている、孤独で偏狭な人に見えるのだろうか。僕は人を信じていないからな。科学技術という多くの人によって維持される、つまらないものだけが最も正しいらしい、として生きている。