犯罪に関して

 「アメリカン・アニマルズ」を観て、僕はそこまで犯罪に対する嫌悪感を持っていないというか、断罪を求める気持ちを持っていないのだな、と思った。というのも、罪を犯すのが本人の意志によるものかと言えば、微妙なところだと思うからだ。

 色々と、特に意識の勉強なんかをすると、そもそも自己の意識というのはかなり薄氷の上にあるものであって、その時の環境や、育ってきた背景なんかも考えれば、自由意志なんてものは妄想なんじゃないかと思えてくるのが、現在科学の立場だ。僕はそれに則って考えている以上、犯罪者をそこまで憎むことが出来ない。そういう遺伝子で、そのような環境で育ち、その場におかれたら、きっと万人がその罪を犯してしまうのだろう。そう思ってしまうから。

 だから、犯罪者に与えるのは環境の変化であり、治療であり、教育であるべきだ。罰や矯正よりも、より根源を正すことができるはずだから。