嘘が上手くつけない

 一時期、暇だからという理由で、色々なルールを課していた時がある。腕時計を付けたら休んではいけない、とか、そういうものだ。その中に、嘘をつかずに生活する、というものがあった。

 元々、それほど交友関係が広くないのもあるし、あまり嘘をつくようなタイプでもなかったので、特に問題なく過ごすことができた。ルールがなくなった今でも、嘘をつくことが苦手で、人狼ゲームなどもあまり上手くない。

 ゲームなので、正統性のある嘘(たとえば、自分が人狼だけれど村人と言う)みたいなことはできるのだが、誰かを傷つける可能性がある嘘(たとえば、人狼でないとわかっている人間を人狼だと言って吊るし上げる)が苦手なのだ。だから、自分の中で正統性を判断しなければならなくなり、嘘をつくのが遅くなり、辻褄を合わせるのが難しくなる、ということが多い。

 そもそも、日常生活で嘘をつく機会ってあります? 大抵の場合、普通に事実を言った方が話が早いし、ジョークだとしても誤解が生まれないように、すぐにそれを明確化させるので、本当の嘘をつく機会ってあんまりなく、修行が出来ない。まあ、僕は表裏のない素敵な人を目指すか。(注:表裏のない素敵な人はミームです)