情報と法則

 コロナ禍で思ったのは、意外と皆、自分が上手く物事を考えている、と思うんだな、ということだ。なんというか、専門家でもないし、情報がめちゃくちゃ集まっているわけでもないのに、判断できなくないですか? 別に専門家の言うことを盲目的に聴いていればいい、というわけではなくて、むしろ、それには一定の監視は確かに必要なのだが、高度な判断を素人ができるわけないじゃないですか。それなのに、正確に状況を判断している、と考えている人が多いのはかなり不思議だ。

 逆に、日々思うのは、なんか、普通に考えたら、こう、みたいな、そういうことに思い至らない人が多いということだ。「ダーウィンが来た!」で、スズメガをハチドリだと思っていた人が出てきたんだけれど、普通に考えたら、動画まで取っていたので、足や触覚を観て、虫だというのはわかるわけだし、そうしたら、検索すれば出てくるはずなのだ。なのに、そういったことに思い当たらずに、ハチドリだと思ってしまう。そういうことが多いように感じる。

 なんというか、科学的な基礎知識があり、科学的思考があれば、ある程度は類推ができる(もちろん、それが間違っていることも多いが)はずなのに、それを使わずに、しかし、常識的に考えればこう、みたいな妙な確信があるのが、不思議だなぁ、と思う。なんか奇妙なんだよな、普通の人の考え方って。変な思い込みに縛られているというか。ナチュラルに霊魂とかがあるって思えるのも、そういうなんか意味不明な思い込みから来ているんだろうな……