仮想の郷愁

 「メギド72」で、関西弁眼鏡守銭奴キャラクターのCVが植田佳奈さんになっていて、世代が完全に同じだ……となってしまったので、懐かしさを久しぶりに感じて、昔(2000年代とか)のアニメやゲームのOPを聞いていた。

 やっぱり、ここにだけ懐かしさがあるんだよな。質感がある。実家に帰っても、元同級生にあっても、学校に行っても、なんとも思わないのに、当時観ていたアニメや、クリアしたゲームの要素に触れると、昔の質感が甦ってくる。なんかあるじゃないですか、当時の感覚が。その質感が。

 生活に比重を全く置いていなかったのだろう。結局、感情のほとんどを創作から得ていて、そこにだけ、だから、感情が残っている。たぶん、それは未だに変わっていない。人や場所に依存せず、空想の何かにだけ残っている。その空虚さは人生らしくて良いのだが、それにしたって、もう少し、当時性を楽しむべきだったんじゃないかとも思うんだけれど、でも、当時のゲームを当時、あの感性のままにプレイしたというのも、かなり貴重な経験なんだよな。繰り返したとしても、同じことをするんだろうな、という確信だけはある。