虎の威

 最近、よく勘違いをされる。結構、困っている。まあ、気持ちはわかる。そりゃ、あれだけ偉そうなことを言っておいて、全然何も作っていない一般人ですって言われても、ええ!? って感じだろうな。せめて、同人でもいいから何か作ってから話をしろよってことでしょう。僕だって、十二分に理解しているので、改善に向けて努力をしています。

 けれど、よくよく考えてみると、映画とか小説とか漫画とかでは、偉そうなこと言っているのに、実際にそれを作る力がない人なんて山のようにいる。別にそういう人たちに文句を言っているわけではなくて、(実際、作る能力と評価する能力は別だと思うし)それらの媒体では批評家の存在は許されるのに、ゲームデザインに関して言うと、なぜかデザイナーだと思われるんだよな。単に文句言っているだけの人なのに。

 おそらく、市場が小さいからなのだろう。ゲーム全体の市場は大きいが、そのメカニクス上でのデザイン、というのは、本来ならば骨格なのに、軽視されがちで、市場が小さい。だから、一般的に批評家が存在できず、話をしている人は当事者しかいないという状況なのだ。だから、その話をしているから、当事者、という流れになるのだろう。

 それとも、単に僕が偉そうなことを偉そうに言っているからなのか? 昔からどうにも偉そうだと言われてしまうのだよな。生来のものなので、治し方がわからない。