睡眠と死

 眠りと死は似すぎている。ヒュプノスタナトスが兄弟であるように。死を始めて理解した時、それはこの眠りが延々に続くという解釈によって成し遂げられた。それ以降、毎日寝る時に、そのまま死んでしまったらどうしようと思い、睡眠を恐ろしく思う気持ちが沸き上がる。早く寝たい、この意識を手放したいと思う一方で、それを手放してしまえば、もう二度と、僕の意識という現象が発生しないのではないかと恐れる自分がいる。なんで、毎日、そんな恐れを抱かなければいけないのか。電源を落とすように、すっと眠れるようになりたい。そう思いながら、今日もベッドの上で眠れないと文句を言っている。その問題に自分自身の意識が加担していることを知りながら。