その話はもう聞いたよ……

 個人的に、もうこの人たちとは別に話さなくてもいいかな、となるタイミングは、会話のほとんどを過去の話が占めた時である。経験上、一度そうなってしまえば最後、ずっと思い出話しかしなくなってしまう。

 つまり、そうなった時、そのグループを結びつけているのは過去だけになっているのだ。共通の興味がある話題があれば、その最新の状態について話せるし、何か一緒に遊んでいるものがあれば、そのことについて話せるでしょう。そういったものがすでになくなってしまって、その人たちを結びつけるものが、共通のものが過去しかなくなった時に、こうなってしまう。そうなると、僕はもう、ここにいなくていいかな。全部、暴ききってしまったし、と思ってしまう。情報量がないのだ。

 そんなことには滅多にならないと思うのだが、意外となったりする。特に多いのは、過去の集団、つまりは元の大学とかサークルとかで久しぶりに集まった時や、会社の人たちで集まった時であって、もう何度も聞いてしまったような話が繰り返し出ることになる。言ってる方は良く飽きないなと思うけれど。そうなると、もうまともに話もしないし、話も訊かなくなってしまう。ネット越しでもそういうのはよくわかるらしくて、よく怒られていたな。ネット越しの会話、際限なく意味もなく続いていく傾向にあるから、情報量がゼロになりやすく、こういう境地になりやすいんだよな……

 人類は七十億人もいるのだから、別に執着しなくてもいいと思うんだよな。今、会いたい人、話したい人と繋がっていられればいい。だから、Twitterとか好きなんだろうな。都合良くミュートとかリムーブとか出来るし。やりたいようにやるのが一番良い。