創作のコア、みたいなものがあると思っている。原理原則というべきものだろうか。それに触れられる人は、わざとそこから離れない限り、あるいは、他に事情がない限り、一定以上のクオリティを保つことが出来る。

 例えば、「メギド72」の寄崎諒さんは、ゲーム音楽に関するコアに触れられている。だから、SEだって心地いいし、様々なジャンルでBGMを作っても、全部良く感じられる。ノーラン兄弟も映画脚本のそれに触れられているから、何作っても基本的に面白い。スピルバーグはエンタメ映画。仲谷鳰さんも同人だろうが商業だろうが面白い作品を生む。I was gameさんはボドゲのそれに。MTGプレイヤーの八十岡さんは、ゲームプレイのそれに触れているから、なにをやっても上手い。本質を捉えていると言ってもよいだろう。それは先天的特性、後天的経験、あらゆるものの総合なのだろうが、一度そういう境地に達すると、わざと捨てない限りはそのままでいられるように見える。

 そういう人たちを僕は信頼している。突発的に出来の良い作品を作ったり、偶発的に流行った作品を作ったりした人は、あまり信頼していない。きっと、僕はこういったエンタメ作品を科学技術のように捉えている側面があるからだと思う。より、面白さの本質に近いものに。そういう挑戦の中で、その本質を捉えている人こそ、歩みを止めない人々だと思うから。