目的のない時間に関して

 目的のない時間が苦手だ。これはきっと、時間があればアニメを観て、エロゲを消化していた悪しき時代に引きずられた風習なのだけれど。

 『なにもしない』を10分するとか、15時から予定があるから、それまで暇をつぶすとか、明確化されていればいい。ただ、なにをするでも、なにをしたいでもないまま、ただ時間が過ぎていくのが苦手なのだ。どうにも焦ってしまう。それが、本当に良くないことだとわかっているというのに。

 僕は常に焦っている。この貴重な有限たる自分の時間が、納得のいかない、面白くもないことに消費されていることに。だから、せめてなにかをしていたいと思うのだろう。思えば、どこかでたむろってだべる、みたいなことを学生時代からしたことがない。なにか目的があり、集合し、それを終えたら解散、少なくとも僕は帰るみたいなことばかりしていた。だから、飲み会とかも苦手なんだろうな。なにかの会話をすると決まっているのなら、大歓迎なのだけれど、大して興味のない仕事が一緒なだけの人間とお酒を飲むなんて、完全に目的が消失してしまっているから。

 きっと、その苦手意識は人生をつまらなくしていると思う。もっと寛容に、ゆっくりと、豊かに生きられるようになれれば、と願っている。