「青春のアフター」2巻が好き過ぎることに関して

 僕はアニメの何話だけが好きとか、漫画の何巻だけが特に好きとか、そういうことになりがちな人間だ。その中でも、ふと読み返してやっぱり好きだなぁと思った「青春のアフター」2巻のどの要素が好きだったのかをまとめようと思う。

 

 まず、基本的な要素として、高校生の主人公は好きなヒロインに振られてしまう。で、その後に彼女がタイムスリップしてしまったため、主人公からは失踪しているように見え、ただ、その思いだけを引きずって生きている。僕は何故かこういう、取り返しの付かないことを引きずって、くだらない人生を送っている状態みたいなのがかなり好きで、例えば「キラ☆キラ」のきらり1ルートとかもその要因が大きい。なんなんだろうね。無気力感とか、それでも諦めきれないようななにかとか、そういうのが好きなんだろうか。この巻でも、『そんでさ かつて抱いたはずの想いを完全に失ったと気づいた瞬間 俺達は…きっと立ち直っちまうんだ』と主人公の親友が言っていたりする。これ、完全に「キラ☆キラ」の『僕はもう大丈夫になってしまったんだ』じゃん。実質。こういうの、好きなんですよね……「キラ☆キラ」もう一回やろ……

 あとは頽廃的な生活! 主人公と謎のヒロインが大学生時代に頽廃的な生活を送っていたことが明らかになるのですが、なんかもう、こういう閉じていて、未来がなくて、それでもどうでもいいみたいな諦観がすごい好きなんです。「車輪の国、向日葵の少女」の灯花バッドエンドとか、「CLANNAD」の智代バッドエンドとか……バッドエンドばっかりじゃないか、誰が覚えてるんだ、こんなの。もう十年以上前にこういうの好きな人集まれってスレが2chのVIPに立ってましたね。100レスぐらいで落ちてた記憶あるけど。まあ、この共依存的な閉鎖感がとてもいいんですね。好き。

 あとは、関係性の対比。いろんな時代の描写があって、それぞれで各々が望んでいる理想と、現実とが時代ごとやキャラクターごとに対比されていて、非常に好み。物語とは意味付けと言ってしまってもいいので、対比・比較という手法は単純ながら、やはり効果的で、物語の骨子と言ってもいい。「メギド72」のライターさんとか有能な人はそれがわかっているとつくづく思う。この巻もそれが山盛りで美味しい。

 

 あんまり長くなってしまってもアレなので、これぐらいで。この作品、本当に好きなんだよなぁ。思えば、こういうのに触れたくて、エロゲとかエロ漫画とか漁ってた時期があったんだなぁと思い出して、それが僕にとっての青春だったのが周りからは悲しく見えるんだろうな……でも、僕としては一番充実していた日々だったなと確信する、青春のアフターなこの頃。