メギドの戦闘

 「メギド72」の戦闘を手軽に味わえるようなボードゲームが出来ないかと考えていたのだが、そうすることによって、より本家のデザインの秀逸さがわかったのでメモって置こうと思った。

 まず、覚醒というシステムが非常に素晴らしい。これが、つまりは単調な戦闘を繰り返さないという役割がある。単純に奥義が強力であるというだけではなく、敵も味方もどのキャラクターが覚醒しているのかという状態が異なっていくから、同じような盤面が繰り返して登場しない。また、アタックで1、チャージで2上がり、スキルによっては更に上下するという複雑さがちょうど良い塩梅となっている。これ以上に複雑だと、それら全てを把握することができなくなるだろう。

 また、フォトンドラフトシステムだが、これはドラフトという面白さと共に、ボードゲームで言うところのプロッティングに近い要素がある。つまり、始めに計画をまとめて立てておき、その実行を後でまとめてやるというシステムだ。これにより、計画が良かったのか、悪かったのかのフィードバックをすぐに受けることが出来る。

 ターゲティングシステムと前衛後衛というシステムはとても相性がよい。ターゲットもフリーにしておけば、決められた法則通りに行われるが、それが最善とは限らず、しかし、一人に集中させても不都合が生じるというジレンマがかなり考えさせられる。また、前衛後衛は単純にメギドに対してバリエーションを持たせることになる点もさることながら、ターゲティングに密接に関係することによって、その意義を更に高めている。

 考えれば考えるほど良く出来ていると思わされる。もちろん、フォトンが完全にランダムな点や、覚醒状態のチャージのように、どうしようもなく、やりようがない状況が発生するのは残念だけれど……これはランダム要素を持っている以上は排斥できないものの一つだから仕方がない。オーブというランダム性のバランサーになる要素も存在している。

 かなり多くの要素が上手くかみ合っていて、考えれば考えるほど良く出来ていると感心させられる。そのせいか、周りでもやっている人が増えているみたいで嬉しい。このまま、サービスを続けて欲しい、数少ないゲームの一つだ。