30分、12話は長い

 「ケムリクサ」を観た。別に悪い作品ではないし、部分部分でとても光っているところはあるのだけれど、決して名作と言える出来ではないし、好きと言える作品でもなかった。理由は単純で作品の時間と内容が釣り合っていると思えないからだ。

 日本のアニメの基本形である、30分(厳密には20分強)×12話というのは、明らかに長い。長すぎると思う。だって、20分としても、4時間なのであって、「ゴッドファーザー」とかの長編映画をゆうに超えている。それだけの内容、あります? ほとんどの1クールのアニメが、それだけの内容を持っていなくて、普通に飽きてしまう。しかも、原作が付いているアニメは、その媒体(漫画とか)に最適な構成となっていて、アニメに適した構成ではない。それなのに、ちょこっと変えたぐらいでアニメ化してしまう。それは、つれえでしょ。

 単純にもっと短くすれば良いと思う。例えば、「アドベンチャータイム」なんかは内容がかなり詰まっていて、各回ごとのテイストもかなり違うのに、10分で終わる。これはかなり濃厚な体験になるから、単純に飽きにくく、楽しんでいられる。映像媒体は基本的に創り手側の都合で、観る側の時間も決められてしまうのだから、時間当たりの情報量はかなりシビアな媒体なはずなのに、そこまで考えられている作品が少なすぎるように思える。もうちょっとアニメという媒体の特性を考えて欲しい……