ヴォーソスなので……

 フレーバーを表しているデータが好きだ。それはRPGだったり、TCGだったり、TRPGだったり、ボードゲームだったりで思う。これは僕が物語や科学を愛している理由と根幹が同じだと思っている。つまり、理由が欲しいのだ。

 例えば、剣士の攻撃が射程100で、射手の攻撃が射程1でも本来はいいわけだ。データとしては、別に制限があるわけではない。けれど、それは理解しがたいし、原理を示していない。やっぱり、剣士の攻撃の射程は短いべきだし、射手は準備の時間が必要だったり、矢のようなリソースが必要だったりする方が良いのだ。

 これは自然法則というか、現実に近づいているというだけだが、ストーリーやキャラクター性なんかをデータに落とし込んでいるのをみると、大げさに言えば感動してしまうのだ。やはり、僕は乱雑なものの中に、確固たる法則を見出したいと思っているのだろうな。偶然でしかない世界に、意味をもたらしたいのだ。それが叶わぬ願いだとわかっているから、ゲームや物語の中に求めているのだろう。

 なお、ヴォーソスというは、MTGの主席設計者であるマーク・ローズウォーターが提唱した概念である。彼の理論はゲーム設計に役立つものでありながら、コンスタントに配信されているので、設計者必見である。本当に必見にして欲しい。それすら見ずに素人がゲーム作るから、ゲームマーケットの同人ゲーのクオリティがゴミみたいになっているので……