「ゾンビランドサガ」に関して

 遅ればせながらに、最近、最終話まで見た。正直、僕はアイドルとかにはあまり興味が無くて、その点では刺さらなかったんだけれど、その分、巽幸太郎の演出がとても良かった。あの、一瞬しか描写されないシーン。あれだけで、彼の目的や感情がわかる。いや、あれがベストなのだ。やろうと思えば、Aパートどころか一、二話ぐらいは引っ張ることが出来るだろう。でも、それを一つのシーンだけで描写する。それが必要十分で最高なのだ。それだけで全ての感情が持って行かれて、アイドルが何人いるとか忘れかけるほどに良かった。

 あの一瞬のような煌めきのあるシーンに触れていきたい。ただ、そう思った。

 

 と、書いてみたはいいものの、正直、それ以外の部分があまり記憶にないため、ゾンビ全般に関して追記。

 有名なゾンビ映画の半数弱ぐらいは観たと思っているのだけれど、その中でのツートップは「新感染」と「ゾンビランド」だと断言出来る。両者には名作であるがゆえのいくつかの共通点があり、その一つが人間とゾンビの違いがそのエンディングを生むというものだ。あくまで、ゾンビというものをテーマにしているのなら、その外見が似ていて、元は人間なのに別の存在になっているというゾンビと人間の違いがキーになるのは必然だと思うからだ。ネタバレになるので具体的な言及は避けるが、両者は全体的に完成度が高く、途中でダレがちなゾンビ映画でありながら、中盤も面白くする工夫があり、何よりも人間が人間たる所以が最後の解決策になっているところが本当に好きだ。前者はハリウッドリメイク、後者は続編がアナウンスされているので、今のうちにみんなも観よう。