「響け!ユーフォニアム」の感想

 いろいろあって(主に「リズと青い鳥」が観たくて)今更ながらに「響け!ユーフォニアム」を観た。そこそこ面白かったと思うが、その域を超えなかった。やはり、小説原作の作品ってこうなりがちだよなぁと言う印象。

 各巻のメイン事件(つまり、本編からみるとサブプロット)がメインプロットみたいになっちゃうんですよね。まあ、もちろん、上手いので、主人公の問題とも絡めつつ、サブプロットは進行していくのだけれど、それはあくまでサブプロットで、サブキャラクターなんだよなぁと思ってしまう。主人公が問題解決屋になってしまうというか。まあ、長期連載が行われるような作品はほぼもれなくこれになってしまうのだけれど。

 傭兵とか、便利屋とか、探偵とか、まあ、だから、そういうミッション型の職業に主人公は就くわけですよね。そうすると、上記のような、各話におけるメインプロット(本編におけるサブプロット)に積極的に関与して、問題を解決することが正当化される。まあ、それでも、色々と苦情は沸き上がるわけだけれど。

 でも、今作では主人公はただの一部員でしかないわけで、しかも、2クールで一応ちゃんと完結するからこそ、余計にちぐはぐな感じがしてしまった。日常系みたいな、メインプロットが完全に死んでいるような作品なら、サブプロットだけで回してても違和感少ないんだろうけれど、そうではないからなぁ……

 ただ、やっぱり、全体的に質は高くて、良かったと思う。楽器とか、やりたくなるような作品だと感じる。残念なのは、吹奏楽部再現度が高すぎて、吹奏楽部にトラウマを持つ人が見てくれないという点か。