2020年の映画館で観た映画に関して
こんなにシンプルなタイトルがこれほど意味があるものになってしまうと、1年前の僕は完全に予期していなかった。間違いなく、波乱の1年であり、いわゆるハリウッド大作が大好きな僕としても、大打撃を受けた1年だった。ここまで映画を観なかった年はかなり久しぶりだ。間違いなく。
※追伸:「1917」が入っていなかったので、追加しました。
・ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
ライアン・ジョンソン、悪くないじゃん。こいつのクソ悪い癖である、シリアスなシーンに対して面白くもないネタぶち込んでリアリティレベルを下げるせいで、クライマックスの盛り上がりも悪くなるという現象はここでも発生していたけれど、それ以外はかなり良い。このシリアス風コメディ、こいつに合ってるよ。だから、なんでそんな奴にスター・ウォーズの監督をやらせたのだと小一時間問い詰めたい。アホみたいに発表されたスター・ウォーズ関連の今後のスケジュールにも全く登場していなくて草生えたし(海外兄貴たちもめっちゃはやし立ててた)
・1917
めちゃくちゃ好きな作品。とても完成度が高いと思う。疑似ワンカットにおける迫力や、その中でもやらなければいけない時間経過をさりげなくやるトリック、圧倒的な映像美……やっぱり……ロジャー・ディンキンスの映像は……最高やな! そして、最後の盛り上がりと、最初と最後がシンクロする構造、と文句の付け所がない。クソでかいスクリーンで観たということもあるけれど、本当に印象に残った。今年観た中で、一番好きな映画だと思う。
・パラサイト 半地下の家族
すごい作品(小並) 普通の作品だと、ここでブレーキ踏むだろうってところでアクセルを踏み切るのがすごい。韓国映画って、そういうイメージがある。テーマも現代的だし、オスカー取ったのも納得。明らかであるところ(家族がどんどん寄生していったり、家政婦を追い出したり)というところはテンポよく進めていき、悪い予感がするところ(キャンプに行っている時に家でくつろいでいるとか)では、客の予想を超える悪いことを発生させて、畳みかけるとか、基本的な脚本技術がとても高い。
・ハーレイ・クインの覚醒 BIRDS OF PREY
スタッフは優秀だと思うんですけれどね……個別記事にしっかり感想が書いてあってので、端的に言えば、監督と脚本が無能って感じ。強い女を出す、というのは現代の潮流であることは間違いないし、女性スタントが増えた今だからこそできることなのは間違いないのだけれど、これだけ女性女性してなくてもいいんじゃないかな。しかも、相手が男性という感じで、男性優位社会そのものでないのがね……逆に性別意識しちゃってるじゃん、という印象になるんだよな。
・TENET
今年の大本命。2回観た。妻は3回観た。なんで? 基本はエンタメの人なので、細かい整合を考えるよりは、映像を楽しむ感じの作品で、長所も短所も以前の作品よりも目立っているという感想。逆行映像、本当に逆に演じているからこその違和感があって、それが実写の凄味に繋がっているという考察があって、その通りだと思いましたね。綺麗であることだけが、作品の面白さにつながるわけではない。歪であるこだわりは、違和感となり、良い意味で、作品への興味を増させるという……
これだけ。マジ? マジなんだよなぁ……しかも、ハーレイまでは3月の話で、あとはTENETだけ。しかも、3ヶ月前という……どうなるんすかね。今年の3作品は、「1917」「パラサイト」「TENET」です。
来年、観たい映画、めちゃくちゃあるんですけれど、どうなるのか。本当に予想がつかない。配信でも何でもいいんで、観たいですねぇ。でも、映画館が観たい映画もかなりあるので、その辺は映画館でやっていただけるとありがたいです。「DUNE」とか……