世界の果ては自身の限界

 外出するのが面倒だ。平日に少しでも外に出ていたのは大したことではないように思えたが、しかし、大きかったのだな、と思う。少しも外出しない日が週のほとんどを占めていると、買い物に行くだけで億劫になってしまう。

 スーパーのネット通販はうちの地域に対応しているようだ。今はまだ、車も車検を通したばかりだし、段ボールのゴミ出しなんかもセットでやっているから、買い物に行っているけれど、そのうち、それもしなくなるんだろうな、という確信がある。そうなったら、ゴミの日ぐらいだろうか、外に出るのは。

 とにかく面倒だ。天気は変わり、人は多く、身なりを整える必要があり、疲れる。小さな範囲で完結したい。外に出るのは、旅行の時ぐらいでいい。日々を平穏に過ごす間は、その日常には、外はいらない。根っからの引きこもり体質なのだろう。

 どうして、そうなったのか考えたのだけれど、理由が見当たらない。物心ついた時から、僕は家の中にいたかった。幼稚園には行きたくなかったし、園の中でも庭にはいかず、中で本を読んでいたかった。恐竜の図鑑があったんだ。それは古い内容で、ゴジラみたいなティラノサウルスが載っているようなものだったけれど、その古臭い内容ですら、外でボールを転がしているよりも面白く感じられた。