「あつまれ どうぶつの森」の感想

 実は真面目にやるのが初代「どうぶつの森」以来なので、20年ぐらい前は言い過ぎにしても、まあ、十数年ぶりだった。進化した部分は言うに及ばす。しかし、基本路線は維持しつつ、ここまで面白くしているのだから、流石、任天堂の仕事という感じだ。

 マイル、というシステムが良くできている。これは、5つの小目標が表示され、それをクリアすることによってポイントが貯まるというシステムだ。目的となるのは、「どうぶつの森」をやるにあたって、繰り返しやることになる行動たち。魚を釣ったり、虫を捕まえたり、果物を取ったり、まあ、そんなところだ。「どうぶつの森」やオープンワールドのようなゲームにありがちなのは、やれることはいっぱいあるのに、何をやっていいのかわからなくなるということだ。これは分析麻痺にも近いもので、選択肢が多くなると思考時間が伸びたり、逆に選ぶものが少なくなったりするものだ。マイルで表示される目標は5つのみとなっているので、とりあえず、何をすればわかりやすいし、苦手なものがあっても、それ以外のものをクリアすればいい。この小目標のクリアの繰り返しによって、大目標は最終的にクリアできるのだから、上手くできている。細かな達成感を楽しむだけで、無限にプレイできてしまうのだから。

 一方、問題なのは、繰り返しを苦手とする僕みたいな人種だ。最初は発見があるものの、だんだんとその未知の領域は狭くなっていく。このゲームは、それを楽しんでいくようなゲームではなく、日常に寄り添い、わずかな変化に季節を感じるようなものなのだ。つまり、日常系ゲームである。日常が苦手な僕は、やはり、このゲームが苦手だったようで、もう飽き始めている。結局、やることが変わらないのだもの。

 しかし、このようなゲームが売れているということは、もちろん、大前提に任天堂の素晴らしい仕事があるとはいえ、このような日常を体験するゲームに需要があるということなのだろう。気持ちはわかる。感覚的に理解する時はついぞ来ないのだろうが。