音と映像のはめかた

 好きな映画とかを考えていたら、音ハメに結構比重を置いているのではないかと思った。ストーリーは微妙だと思っているが、「グレイテスト・ショーマン」とか「ラ・ラ・ランド」とかもそれでかなり好きで、数回観ている。「劇場版 少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト」も音楽に合わせた演出や振り、決めの部分で特に高まっているので、これはかなり大きな要素のようだ。

 予告とかも、特に最近はMVのように音ハメすることが一般的になってきて、「アメリカン・アニマルズ」とか、「スーサイド・スクワッド」とかは、予告だけで何回も観ている。何なら、未だに観ることがある。MADも、何て言ったか、あの音楽とそれに合わせた映像というタイプが好きで、それをよく見る。OPが好きなのも、基本的にこれだ。石浜さんが絵コンテ切っているOPEDは基本的にこれだし、映像もスタイリッシュなので、めちゃくちゃ好きで、OPED集だけで何周も観ている。

 ゆえに、曲と全く関係ないそれっぽい映像を垂れ流すだけのOPとか観ると憎悪の気持ちが湧いてくるし、日本語版予告になった瞬間、原語版になった音ハメを崩してくる奴なんかは、担当者への殺意が湧く。

 なんというのだろうな、音と映像が綺麗当てはまり、相補的になった、その瞬間、いわば、完璧になった瞬間が好きなのだ。

 そんなことを言っていたら、「ベイビードライバー」が観たくなって、一周してしまった。本当に、毎回、完成度に泣いてしまうな。個人的映画ベスト3には入る。これもまた、全編における演出とアクションの音ハメによるものも大きい。

創作におけるジェンダー観

 「ロキ」が最終回になり、流石に変なことはせんやろ……と思っていたが、まんまと不信の方が当たってしまった。マジで……? MCUドラマシリーズ、出来が破滅的過ぎるやろ……いや、征服者とか言われても、マルチバースとか言われても、それ自体では盛り上がるけど、「ロキ」としての本筋ではないわけやし、本筋のドラマが薄すぎやろ……って感じ。ネタバレもクソもねえよ、こんな駄作。

 

 でも、ちょっと気になったのが、ロキがバイセクシャルだと言った割に、普通の異性愛(しかも古臭い感じの)を出してしまって、案の定、一部で炎上していることなんだよね。

 これとはちょっと条件が違うのだけれど、「メギド72」でも、主要キャラの一人が作中で結婚していて、ごく一部で炎上していたようだ。まあ、こっちの炎上は流石に頭がおかしくて、このガープというキャラクターは普通に異性愛者で、対象とはゲーム開始時点で交流があり、作中の世界観は便利中世ヨーロッパぐらいの倫理観なので、そこで異性愛をして、結婚したのを祝福されたぐらいで、異性愛が最高だと言われてた……とか言って、病んでるのはマジで病んでるので病院行った方がいいんだけれど、でも、多様性をうたうと、こういう副作用もあるんだな、と参考になった。

 まあ、ロキの方はせっかく、バイセクシャルであることを公表した後にこれなので、正直、炎上してしかるべきだとは思うのだけれど、でも、古いジェンダー観だけで、その作品が古く思えてしまうような、そんな社会には片足突っ込んでるよな、と思う。

 だから、アクション映画みたいな、恋愛を主軸にしない作品は、もうサブプロットで恋愛、みたいな古臭い脚本は止めるべきだと思うし、なるべく遠ざけるべきだと思う。その点でも、「マンダロリアン」のバランス感覚は見事で、主人公が子連れ狼やっているので、浮いた話もほとんどないし、何の言い訳もなく、普通に強い女性がバシバシ出てきて、古い感じはしないしで、素晴らしい。こういう塩梅を求めるべきなのだろう。

 異性愛だって、多様性の一部ではあるのだから、こうやってあまりにも文句言われているのは可哀そうだけれど、まあ、異性愛そのものというより、それに付随した古臭い価値観に文句言われているのは自覚した方がいいし、時代に合わせた方がいいと思うな……まあ、ガープが文句言われているのは、マジで意味わからないですが……

「ロキ」最終話前記念感想

 最終話の前に簡単な感想のまとめを。

 

 

 正直に言えば、ワニロキの可愛さがこの作品の9割の価値を占めていると思います。真面目に。それぐらいやばい。

 今まで、MCUドラマシリーズはとことん期待外れだったので、流石にハードルは下げているのだけれど、それでもハードルをくぐるという感覚。話はダレるわ、殺陣は放送事故級だわで、何なんだ、これ? という感じ。

 MCUドラマシリーズどうなってるんだ? 「マンダロリアン」で言うと一番つまらなかった回ぐらいのクオリティが続いてる。瞬間的に沸騰する瞬間はある(「ワンダヴィジョン」で偽トロが出てきた時とか、「ファルコン&ウィンターソルジャー」でジョン・ウォーカーが人を殺した時とか)んだけれど、それが持続しねーのがやばい。本来のテーマとは外れたところで盛り上がるのって、どうなんだ。「マンダロリアン」も、そういう盛り上がりをするところもあるけれど、ちゃんと本筋の盛り上がりもあるぞ。本筋オマケすぎる。

 一番問題なのは、作中のロキが、(まあ、ロキの死までを見たという言い訳はあるものの)「マイティ・ソーラグナロク」のロキの延長上にいるってことなんですよね。ああいう、憎めない、ヴィランとも言い難い存在になったロキという感じからそもそもがスタートしている。「アベンジャーズ」までのロキって、まあ、小物だけれど、しっかりとヴィラン的な動きをしてきたのであって、そこから繋がっていると言うのは無理がある。けれどまあ、これは視聴者としてもラグナロクの続きのロキなのだから、それでいいんだけれど。でも、テーマとしてはちょっと矛盾を感じちゃうというのはあるんだよな……

 

 黒幕は、普通に考えたらアナザー・ロキ(インフィニティストーンを全て手に入れたパターンとか?)で、対抗馬は他の人物(ソー、オーディンメビウス)とかの変異体。大穴が征服者カーンとかメフィストとかかな。とはいえ、マーベルで有名なヴィランであったとしても、ここから新規キャラクターというのはおさまりが付かないように思えるし、他の人物の変異体だったとしても、綺麗にまとまるヴィジョンが見えないので、9割方黒幕もロキだと思います。そうすれば、ロキの物語として綺麗に締まるし。1割はMCUドラマシリーズに対する不信に近い感覚。

わからないことがわからない

 どうして、こんなにもゲームとして成立していないことをデザインしてしまうのか、本当に理解できない。いくらゲームをやろうと、見立ての悪い人は良くないデザインしかできない。どうして、なんだろう。

 結構、本気で疑問に思っている。多分なのだけれど、直感的にそれがわからないからなんだと思う。下手な演奏や作画はすぐにわかるだろう。ゲームは、それがゲームらしきものでも、楽しめてしまう人がいる。それが相対的にわかりにくい。そこに限るのだと思う。物語もそうで、その形態やテーマにより、主観的なバイアスがかかってしまうから、本質を見極められる人が限られてしまうのではないか。

 でも、わかるでしょ。

 論理的に考えればわかるでしょ。

 その本質を考えれば、何が大切で、何が大切でないか、わかるでしょ。

 本当に、僕は理解できない。どうして、こんなにも理解できない人であふれているのか。観客じゃなくて、創作者が理解していないのだ。なぜ、わからないのだろう。僕の悩みは全てそこに集約している気がするな。どうして、他の人がわからないのか、わからない。だから、他人の考えに興味があるのかもしれない。

体調回復

 結構真面目に体調が悪くて、時期も時期だし、ちょうど出かけたからよもやと思ったのだけれど、普通に体調が回復して、外出による過労だとわかった。どんだけ体弱いんだよ。びっくりしたわ。念のため、今週は様子見でいつにもまして外出は控えるけれど……

創造的作業

 作品から概念を抽出して、コネコネするのはきっと得意な方だし、だから、ゲームとか作品の本質を捉えられていない人を見るとイライラするのだが、一方で、それゆえに顕現化の能力が劣っているとも思う。

 何か創るってなった時に、自分の頭の中で概念として成立したところで、山場が終わってしまう。その後で、データつくったり、文章書いたり、というのは、些事であって、結局は微妙な差にしか残らないものをちまちまと作り、しかも、その全体が決まらないと、系がわからないから、部分としての評価ができない、というところがきつい。つまんねーのか、おもしれーのか、わからんない状態が長く続くのでストレスになる。概念として面白いのと、作品として面白いのは違うので、その細かい部分を詰めるのがやる気なくなっちゃうんでしょうね。AとBとどちらが良いのか、概念上(大まかな構成)ならはっきりとわかることも、細かい実装の話になると、色々な部分との重ね合わせによるので、全体を用意しないと判断できない。

 一方、顕現化が好きだったり、承認欲求が先だったりで、発表会に出たくて、先に場所を予約したり、当日に思いついた何かを仮でも作ったり、という人は、発表することに意義を見出しているのでしょう。それならば、完成せざるを得ないのだから、完成させられる。出来不出来はなしにして。そして、しっかりと、考えて創ってあれば、そのうち、スキルも向上する。そういう人が上達するんだろうな、と思う。完成した作品数に比例するとは思わない(実際に、スポーツ選手や音楽家の実力が練習量に比例しないように)が、同じぐらいのセンスや思考傾向の持ち主なら、量が多い方が勝つ。

 1000人に承認されたら寿命が長くなるとか、そういう世界にならないかな。自己の利益だけをみた時に、承認されることの利益が少なすぎる。