「Vivy」の最新話で流石に呆れてしまった

 厳密に言えば、まだ最終回が残っているので、ウルトラCが発生する可能性もあるけれど、今期のもう駄目だ枠は「Vivy」になりそう。

 A.I.、アンドロイド、心、人間、ループものという面白くなりそうな(しかし、扱いが難しいし、正確に描写することが難しい)要素を使っておきながら、その全てが作中における定義や意味付けが曖昧で、しかも、極度に感情的な展開(しかし、めちゃくちゃありがち)を繰り返す、という全方位に不誠実な展開を延々と繰り返す物語なので、ストレス指数がかなり上がる作品となっている。「CHAOS;CHILD」を書いた人が書いた脚本とは本気で思えないんだが……長月がメインライターってコト? MAGES.が有能過ぎたって考えるべき? いや、それにしては空想科学シリーズの他の駄作が説明つかんが……

 なんというか、本当に、本当っに、全体として不誠実なんですよね。テーマや物語を展開にするにあたって、その作品における要素の定義というのを、直接的でないにせよしなければならないですよね? 前提の提示という奴。最初の10分ぐらいでやることが多い。あるいは、前半の物語を贅沢に使う場合もある。けれど、この作品は、本当にそれがない。A.I.とか、心とか、歌とか、ループものにおける時間の分岐とかって、色んな解釈がありますよね。それなのに、この作品としての各要素の定義(もちろん、これは後々の展開によって、覆されることはある。それも含めての定義の役割なので)が全然されなくて、君たちはいろんな物語で観たことがあるでしょうから、省略、みたいになっちゃってるんですよ。これ、本当に最悪で、しかも、実際に、よく観た展開にしかならない。いや、そうじゃないでしょ。物語における勘所がめちゃくちゃでしょ。そうじゃなくて、「君の名は。」とか「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」みたいに、良く観た奴だからこそ、ギミックの説明を省略して、その作品オリジナルの、その作品のテーマに尺を割くべきであって、順序が逆転している。テーマの前提を書かないで、テーマの話をされても、何のことだか意味わからんて。

 こういう駄作はまあ、山のようにあるわけだけれど、話題になる駄作と話題にならない駄作の差が僕にはよくわからない。作者の知名度? 作画の綺麗さ? どちらにせよ、度しがたいね。