「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」再視聴の感想

 久しぶりに「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を観た。序、破、Qを一通り。思ったのは、当時劇場で観た感想と大きく違うことだ。

 まず、全体的に古いと感じた。当時は、TVシリーズ当時の時代感を出しつつも、絵とかも含めて新しくリファインされたな、という印象だったのだけれど、当時新しいと感じられた部分すらも、今観てみると明らかに古い。結果として、全面的に古くなってしまっていた。また、当時のインパクトを基準に面白さを指標付けしていたためか、今観直すと、過大評価をしていたな、と思う。やっぱり、物語の構造が古くなってしまっているんだよな。今、新しくヱヴァのようなテーマで物語を創るとなれば、良くも悪くもあのような形にはならない。ある意味で呪縛のような作品なのだと思う。

 物語というものは、現代的に進歩していて、今の物語はより進化したものになっているのだ。古い人気のある作品を、新しい技術で作り直したり、リビルドしたり、というのは、世界中で行われていることだけれど、物語の構造を根幹から作り替えない限りは、新旧ともに傑作ということにはならないのだろうと思った。そういう意味では、Qは良かったのかもしれない。シンは新しい物語として、大きく構築し直すことができるだろうから。それで傑作になるのか、駄作になるのかは、まだ誰も知らないことではあるけれど。