2019年に読んだ漫画・小説に関して

 表題の通り。これもアマゾンの履歴を参考にしながら書いているので、確実に抜けがあるのは間違いない。ただ、もうどれが今年かとか確認するだけでも結構な労力になってしまうので、まとめとしてはこれぐらいで許してくれ。すでに去年から引き続き読んでいるものは、一応入れていないつもり。また、特筆がなければ、最新巻まで読んでいる。

 

異世界おじさん(2巻まで)

 所謂、異世界系のアンチテーゼで、そこになつかしのゲーム要素が入り、カオスになっている。ギャグセンスが合えば面白いと思うが、しかし、物語的な展開はいつになったらするのだろうか。そもそもするのか?

 

・ストーカーズ(1巻まで)

 ストーカーたちのバリエーションが豊富。しかし、その定石をどう覆すかとか、どう意外性を出していくかとか、そういう側面に力が注がれすぎていて、それ以上でもそれ以下でもなくなっているのは残念。

 

・私の百合はお仕事です!

 「やがて君になる」が終わってしまった悲しみを埋める百合漫画。個人的にはめっちゃ好きで、客観的にもオススメできる。二重性のある舞台、可能性を感じる。物語としては王道にキャラの掘り下げをやっていくのかしら。地味に絵柄も好み。

 

・おやすみシェヘラザード(1巻まで)

 映画レビュー漫画、めっちゃ増えたなぁ。たいてい、映画レビュー+なにかの要素で構成されていて、物語にそのなにかの要素を超える面白さがないと読むのがつらい印象。この作品の一巻には、それが無かった。押井守回には少しあったけれど……

 

・機龍警察(自爆条項まで)

 面白かったには面白かったのだけれど、凡作という印象しか残らなかった。そんなに人気の出る作品だろうか、これ。部分的に面白い要素はあるのだけれど、意外性を感じる部分がなく、だらだらと読んでいるうちに終わってしまった。

 

星川銀座四丁目

 初めて読んだ百合漫画が「少女セクト」(なぜ?)だったので、少し懐かしい気持ちになりながら読んだ。しかし、それ以外に何らかの感情を抱くことが出来ず。百合漫画の終点って家の購入なんだな、とは思った。制度的に保証がないもんね。

 

・Roid

 同人時代から好きな作者さんだったのだけれど、連載というより、短編が面白いタイプの人な気がするなぁ。いるじゃないですか、ジャンプとかでも読み切りは面白いのに、連載に移った途端、ダメになっちゃう人が。そういう人に活躍の場を。

 

・グヤバノ・ホリデー

 panpanyaさんの漫画、本当に好き。この作品はちょっとしたルポのような要素があるのだけれど、それもまたとても面白い。作者の視点がとても面白いから、ルポでも創作でも面白いんだよね。こういう人を天才と呼ぶ。

 

・時を超える影

 原作は未読だけれど、ラヴクラフトらしいおどろおどろしい恐怖感や、人知を越えるものに対しての畏怖を覚えさせるような、かなり出来の良い作品に仕上がっているように思えた。とても良い。

 

・うたかたダイアログ

 なんか、もうほとんど忘れてしまった……すみません。こういうほのぼの系(?)の作品ってたまに買うし、読むのだけれど、内容忘れてしまうんですよね。なんか、色々と残念なんだけれどさ……

 

・生命、エネルギー、進化

 生命がどのように生まれたのか、その可能性の高い仮説の説明がほとんど。実際、この説である可能性は高いように思える。僕が知っている仮説の中では、最も理にかなっている。こうやって、神秘と言われた領域は暴かれていくのだろうな。

 

・意識と脳 思考はいかにコード化されるのか

 めちゃくちゃ面白い実験が山のように乗っていて、我々が一般的に意識と呼ぶものが以下に脆弱な認識しかされていないかがよくわかる。こうやって、事実を積み上げた先にあるのが事実であり、思考の先にあるのは妄想でしかないのがよくわかる。

 

異世界ピクニック

 主人公たちと母校が同じなので、ひいきしてしまう。それ抜きにしても、ネットミームと百合の怪奇ものって面白いのでは。しかし、解決が全く論理的でない。ここを強くすれば、もっとウケるはず。ポテンシャルはあるのだ。実質東方(秘封)だし……

 

・平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,

 正直、この作品を面白いと思っている人は、もっと生物と進化の勉強をしましょうとしか言い様がない。SFにしたって、根幹設定をしっかり科学的に正しいものにしないと一切の説得力がない。世間的な進化の認識に愕然とする。

 

・呪術廻戦

 ポスト「BLEACH」を狙えるだけのポテンシャルがあると常々言い続けてきたが、時代もそれを認めてきたという感じ。理屈面は弱く、作者もそれを蟇目に感じているようだが、そんなことは気にせず久保先生のように開き直って欲しい。

 

・呪術廻戦0

 0が好きって話、もう何百回としたような記憶が……前日譚がそもそも好きなんですよ。あと、主人公とヒロイン(?)の造形も好きだし、ラスボスとの戦闘も好きなので、好きで構成された作品という感じ。

 

・君だけが光

 もう、タイトルが強くないか? 負けたよ……多様性のある百合漫画という感じ。年齢を重ねた先に……みたいなの、めちゃくちゃに弱いので、ある短編がぶっささった。なんか、趣味が老人みたいになってない? 大丈夫?

 

・OLD WEST

 テーマや絵柄がかなり西部劇的で、映画を観たような読了感に至れる。こういう作品もたまに読みたくなるんだよなぁ。どう生きるべきかという問いを延々と考えてしまうな……

 

・アクタージュ

 個人的にこの辺がいるために、今のジャンプは歴代最高に面白い。創作を扱う創作、難しいのだけれど、上手く使えると本当に傑作になる。少年漫画らしく、出し惜しみせず、常に全力の展開を続けているのが、好感しかない。頑張ってくれ。

 

・MOGUMOGU食べ歩きくま

 これはただのルポなので、ナガノさんの素晴らしいキャラクターセンスを眺めるだけの作品と化している。しかし、食に関する感情がほとんどないのに、作中の食事はとても素晴らしく思えるんだよなぁ。

 

・日本人はなぜ無宗教なのか

 なんだったっけ。確か、自然に宗教観があって、特別なにかを信仰しないみたいな話だったっけ。全然、新しいことを学べなかった記憶しかない。何か調べたい時、安いからつい日本の新書買っちゃうけど、海外のちゃんとした本買った方が絶対いいです。

 

・僕はかぐや姫/至高聖所

 うーん、僕はこういうの、わからないですね。細部の作品なんだろうなっていうのはわかるんだけれど。僕はどうしても、概観しかつかめないんですよ。少なくとも、それが面白くないと、細部まで目が行かない。この作品についても。

 

・恋の撮り方

 うーん、わからん。いや、わかる。わかるが、しかし、刺さらない。ラブコメは根幹的に刺さらない。憧れは理解から最も遠い感情だからか? いや、そんなことないが。学生時代、エロゲなんかやってないで、恋した方が良かったのでは?

 

・なつやすみの友

 いいっすねぇ。こういうの、めっちゃ好きなんですよね。短編というところもグッドで、誰にでも勧められる。なんかこういう割り切れ無さを、しかし、割り切っていかなければいけない現実みたいなの、良い。

 

・みんなで辞めれば怖くない

 正直、社畜の人の気持ち、あまりわからないんですよね。辞めればいいじゃんって思ってしまう。いや、わかっている。そういう発想に至らないのはわかっているのだけれど、もっとみんな安心していいよ。我が儘でも何とかなるもんだから。

 

・不死人の検屍人 ロザリア・バーネットの検屍録

 素晴らしいね。こういうファンタジーに現実の理屈を持ち込む作品、めちゃくちゃ好きなんですよ。それはつまり、手代木正太郎作品が好きだってことです。現実の理屈が主で話が進んでいくから、納得感が違う。素晴らしい。

 

・ふたりモノローグ(5巻まで)

 なんか、いろんなものが過剰では? その過剰さが癖になる人もいるんだろうけれど、僕にはちょっと受け入れがたかった。まあ、これは本当に好みとしか言い様がないから、どうしようもないけれど。

 

チェンソーマン

 僕たちの藤本タツキが帰ってきた! って感じの内容。ヴィジュアルも格好いい。ネットで公開されていた、読み切り作品も面白かった。本当に今のジャンプ、歴代最高の黄金期か? 新世界系の系譜の作品になりそう。

 

・AIは「心」を持てるのか

 がっかりしてしまった。知識の再編集と言った感じで、この本の前に取り上げた本のように、実験結果や統計が載っていたりするものじゃないんだよね。日本の新書的な本で、まあ、読まなくてもいいやつです。

 

・戦略的交渉入門

 交渉について調べたくて。所謂、有名な心理効果ぐらいしか、交渉的な技術はなくて。あとは単純に下調べを徹底的にして、理論的に損得を判断するのが肝心という、基本に戻る感じがちょっと面白かった。

 

・乙女文藝ハッカソン

 文藝とハッカソンを組み合わせるという発想に素直に驚いたし、それが面白くなるのがすごいところ。残念な終わり方をしてしまったけれど、ポテンシャルは十分にある。集団創作が面白そうだなぁと思わせる。

 

・進化の意外な順序 感情、意識、創造性と文化の起源

 基本的に人の脳なんていうのは行き会ったりばったりに変化していったもので、その場しのぎでしかなく、インテリジェント・デザインなんかとは遠くかけ離れたものだっていうのがよくわかるよな。面白い実験結果が盛りだくさん。

 

・時間の比較社会学

 近年、最も僕の思想に衝撃を与えた著作。やっぱり、信頼できるのは哲学より科学だな。わかってはいたが、まとまらなかった思想の軸となるものを与えてくれたおかげで、いろいろなものが整理された。読んで良かった。

 

・交通事故で頭を強打したらどうなるか?

 こういう、自分では体感できない(してない)ことのルポ漫画、もっと需要あると思う。少なくとも、僕はとても好き。ああ、あくまで自分も脳という物質が構成するもので、不具合が発生しうるんだなと、恐怖と諦観を抱くことができる。

 

・有害無罪玩具

 少し不思議系のSFみたいな感じ。刺さる人には刺さるんじゃないだろうか。僕としては、そこまで刺さらなかったが、普通に面白いし、好きというぐらいには楽しめた。試し読みで興味を惹かれれば是非。

 

・最後の秘境 東京藝大

 本当に面白かった。こんな世界があるのだという感動を覚える。彼ら(特に音楽科ではない方)に共通する未来を諦観しつつ、今を楽しむという姿勢は本当に大事だと思った。大事なのは、内発性の感情、それだけだ。

 

・自我の起源

 時間の比較社会学ほどのものではなかった。というか、単純に未完成のもののように思える。続巻が出ることはあるのだろうか……あと、こっちの話は純粋に科学よりで、引用されている実験結果が古かったり、不完全なんだよね。端的に言えば間違い。

 

社会学入門

 社会学に興味が出てきて読んだんだけれど、基本的にはやはり、学ばなくていいのかなと思った。外に興味がある人向けの学問って感じがするなぁ。その成果をつまみ食いするような姿勢でいきたい。

 

・違国日記

 とても素晴らしい。メインとなる二人の人物が良く、読んでいて、しっかりと引き込まれていく。こういう繊細な作品を定期的に読んでいきたいな。外部から呪縛から解き放たれて生きるのは、難しいことだ……

 

・熱帯魚は雪に焦がれる(1巻まで)

 アクアリウムと百合という要素の作品で、それ以上の何かがなかったんだよなぁ。そういうものがないと、1巻で読むのを止めてしまう読者、結構多いと思うんだけれど。まあ、これでいい人もいるんだろうな。

 

・水は海に向かって流れる

 田島列島作品、絵柄はほのぼのだけれど、その内容のレベルの高さはかなり随一だと思っている節がある。重いしね……この作品も、まだ先を読み切ることはできないけれど、面白いままに終わるでしょう。期待しかない。

 

・ダブル

 とても良い。天才と天才を理解する秀才が好きじゃない人っているの? 僕はめっちゃ好きです。描写が結構丁寧で、天才が天才たる所以とか、そのための激突とそれを解決する術など、緻密に描かれているように思える。

 

・物語は人生を救うのか

・人はなぜ物語を求めるのか

 どっちもセットみたいなものなので。はい、タイトル買いです。しかし、取り立てて新しい情報は仕入れられず。脳科学とか調べている人は改めて読む必要ないです。そうでないと、驚きがあるのかもしれない。

 

・自分の中に毒を持て

 岡本太郎さん、あまり知らなかったんだけれど、考え方が割と理知的で驚いた。科学的な知識を持っていなくても、芸術人は結果として同じ結論に辿り着いていたりするんだよなぁ。これがセンスか。

 

・脳はいいかげんにできている その場しのぎの進化が生んだ人間らしき

 マジで適当なのもいいかげんにしろよ、脳。と言いたくなるような内容。宗教の信者が読んだら卒倒するのでは? しかし、そんな不良品の上に実装されているのが僕たちなので、受け入れていくしかない……

 

・快楽回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか

 快楽というものがどう条件付けされるのか、そして、中毒はなぜ生まれるのかがわかる。これは止められませんわ。こういう知識は、義務教育で教えるべきだと思うんだよな。そうでないと勘違いして精神論とかに頼り始めるから。

 

・すべての人類を破壊する。それらは再生できない。

 1999年×青春もの×MTG=最高 単純にオナマス組というだけでも、十分に面白いものが生まれると信じる価値のある作品ではあるが。普通にラブコメっぽい進行ではあるものの、現代と思われるシーンが入ったりで、今後に期待できる。

 

・僕の心のヤバイやつ(2巻まで)

 わからない。いや、わかるんだけど、わからない。そりゃね、可愛いキャラだなとか、もだえるような描写だなとかはわかるよ。でも、好き合ってるなら付き合って作品を終わらせばいいじゃんって、そういうもんじゃないけれど、思ってしまうのが僕。

 

・踊るリスポーン

 主人公の設定自体は特筆するものでもないのだけれど、それ以上に周りがヤバイ奴だし、その絵柄と内容のギャップも相まって面白い。蘇り属性、ついにここまで汎用化されるようになってきたのか……

 

・ウニはすごい バッタもすごい

 タイトルには難があり、一回何かが流行るとそれに便乗したタイトルを付ける新書の悪いところ。しかし、内容はとても面白い。ウニとかヒトデとかあまり専門書がない生物の概要が知れて、とても面白い。星形生物と対称生物の違いとかね。

 

・生命の歴史は繰り返すのか? 進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む

 驚くべき進化に関する実験とその結果が明らかになる。進化は観測可能なほど、ダイナミックに発生する現象であるとわかるし、それを実験する学者達の情熱に驚かされる。めちゃくちゃ面白い。オススメ。

 

・協力と裏切りの生命進化史

 本当に恣意的なんだよな。取り上げているものや、その順番が作者に都合の良いものになっている。どうして、事実だけを観ることが出来ないのか。なぜか、キリスト教の影響の強い西洋の方が進化に関してまともな本がいっぱいある。

 

・科学技術の現代史 システム、リスク、イノベーション

 社会的な側面が結構出ているのかな。技術史をメインに調べたかったので、その目的を果たすことはできなかったのは残念。まあ、僕の下調べが悪かったのはあるが。一定の情報は得られた。

 

・極主夫道

 これで出オチでないのがすごい。やっぱり、要素の組み合わせ漫画は、その組み合わせを生かしつつ、その上で読者の想像を超えることが一番大事だという僕の理論が補強された。実際、かなり人気もあるようだ。

 

・その着せ替え人形は恋をする(3巻まで)

 反面教師となるのがこの漫画で、要素から想像できることしか起こらないので、読まなくていいかなという気持ちになる。一気に買ったから3巻まで読んだが、そうでなければ1巻がリトマス紙になるだろう。そういう内容なので。

 

・先生とそのお布団

 一見すると最近(少し前か)流行ったラノベ小説家ものに思えるのに、それ以上の面白さを提供できるのだから、石川博品は本当に実力があるな、と思える。物語的に特筆すべきものがあるわけでもないのに、本当に面白い。これが力だ。

 

私の少年

 真面目なおねショタ(語弊がある)もの。年齢とは、性別とは、ということはすなわち、外圧であって。その外の期待と異なる本質をどうするのかという所に集約していく気がする。現代的なテーマなんだろうな、これが。最近よく見る。

 

・植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

 ヴィーガンに読ませたいね。もちろん、作者が何度も言っているように、これはスピリチュアルな話ではなく、動けないという植物の特性故に、様々なセンサーがあることが最新の研究ではわかってきているということだ。面白い。

 

・Building Blocks of Tabletop Game Design

 めちゃくちゃ面白い本。あらゆるボードゲームメカニクスを網羅的に紹介している。各ゲームの違いなども載っていて、ゲームデザインに興味のある人は必携、必読の本だと思う。値段も高くないし。

 

・小説 天気の子

 まんま、「天気の子」の小説版。一部、小説版のみのシーンがあり、補完にはなっている。しかし、そのまま過ぎて、脳内で上映会が開けるほどだったので、映画が気に入れば是非、読むべきだろう。

 

・夢中さ、きみに。

 良い。しかし、細部よりの作品ではあるので、個人的には途中で飽きてきてしまった。大枠で興味を惹くような物語が動いていてくれればなぁ! まあ、そんなことは無理なんだけれどさ……

 

・巨神計画

 まだ物語が始まってないから、なんとも言えないが、今の所、惹かれる要素はないかなぁ。あくまで、多々ある遺産ものや巨大兵器ものの一つにしか思えない。書かれ方や、インタビュアーのキャラクターは好きなんだけれどね。

 

・かげきしょうじょ!!

 女性性を歌劇団、男性性を歌舞伎とする発想、天才か? キャラや感情よりの、つまり、細部よりの作品ではあると思うのだけれど、物語的にも見所は多数。こういうのでいいんだよ、こういうので。

 

・映画大好きフランちゃん

 スピンオフでありながら、2巻を綺麗に支える形に。こうやってまとまっていると、読んだかいあるなぁと思わせる。素晴らしい。創る側の苦悩や陥りやすい罠など、面白い話が詰まっている。いやぁ、映画っていいものですね。

 

・鳥類学者 無謀にも恐竜を語る

 生物学者ではあるので、ユーモアを含めて、まあ、勝手なこと言ってますけど、みたいな雰囲気がとても良い。鳥類学と比較することで、恐竜学の困難さが明らかにあるよなぁ。周知のように恐竜は鳥類なので、実際、的を射ていると思われる仮説も多い。

 

・日本凶悪犯罪大全217

 読んでいるだけで気持ち悪くなる本、久しぶりだな。淡々と事実だけが書かれているので、そこに救われてはいる。しかし、凶悪犯、大抵は環境に問題があるので、そこをどうにかしなければと思わされる。犯行現場としてよく出てくる地名があるのはなぜ?

 

HELLO WORLD

 良いのは良いのだけれど、想像できる範囲の展開しかしないのに、予告で煽りすぎるのはよくないと思うし、もっと力が出せるはずだ、と思ってしまうよな。野﨑まどの本気はもっとすごいところにあると思うので。最近、少し微妙か?

 

・HELLO WORLF if 勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をする

 本編の裏にあった話はとても好きだし、副題に関する流れとかはとても良かったと思うのだけれど、もうちょっと、ひねりが欲しかった気持ちもある。意外な展開、みたいなものがほとんどないので、退屈になってしまうのだよね。

 

・自分ツッコミくまの本 もぐらコロッケのうた

 ナガノさんの本領発揮。個人的に、シュール漫画の旗手であるとすら思っている。デフォルメ調の絵、センスが問われるのだが、シュール漫画もその自由度ゆえにセンスが問われる。それをこのクオリティなのだから、そのセンスは本物だ。

 

・戦争と資本主義

 知りたいことと違った……ただ、事実をベースに、どういう時に戦争は起こるのかとか、どういう時に終わるのかとか、展開はどうなるのか、みたいなことを統計的にまとめた本が読みたいんですけれど、全然見つからない。教えてもらえませんか?

 

・よふかしのうた

 今の所、物語はほとんど始まっていなけれど、空気感が良い。それにしても、キャラクターのフェチズムがすごいなぁ。ゆえに要素要素に「だがしかし」のキャラを見出してしまうのは難点か。本当に期待している。

 

 ざっとみた感じはこんなものだろうか。今年完結した作品は、(覚えている限りで)下記に特筆しようと思う。そもそも、僕は飽きやすいので、最後まで読んでいる作品自体が希有です。

 

・あの娘にキスと白百合を

 今作における百合カップアベンジャーズをしていて、笑ってしまうのと同時に、それがオムニバス式であった本作における完結巻にふさわしい終わり方で、各巻に意味を持たせる素晴らしいグランドフィナーレだったと思う。10巻という長さも読み返し、奨めやすく、とても素晴らしい。天才と秀才の百合、嫌いな人なんていないでしょう?

 

・1518!

 時代が追いつかなかったかぁと哀しくなった。先端の作品には、そのリスクがある。夢が絶たれ、しかし、現在に希望を見出していき、内在性の欲望を見つけるという、とても現代的で、求められている物語だっただけに本当に残念。なんとかして、続いて欲しい気持ちはある。同人とかでもいいからさ。

 

・ハッピーシュガーライフ

 こういう終わり方かぁ。と言う感じ。ネタバレになるので詳細は省くが、クライマックスとエンディング、僕が書いたのかと思うぐらい好みをストレートに打ち抜いてきて、読んできて良かったと思いました。過去のヒロインに固執し、妄執に取り憑かれている人物、めちゃくちゃ好きなんですよね……

 

やがて君になる

 名作。素晴らしい作品として完結してくれたことに感謝しかない。最初、少し蛇足か? と思ったんだけれど、全編見返すと、あの部分こそが、この作品のテーマであり、欠かすことの出来ない要素だと明らかになった。完成度に時々、泣きそうになった。僕が読んだ、今年完結した作品では間違いなく、ベスト。

 

・やはり俺の青春ラブコメは間違っている

 はあ……(クソでかため息) まあ、こうなることはわかっていたさ。本質からもうどうしようもないのだもの。でも、これで満足できる人は、キャラクターのために読み進めてきた人だけだろうな。半分ぐらいの巻の時には、確かにあった煌めきが、もはや見る影もなくなった、ただの出がらし。駄作になってしまった。

 

 こんな感じだろうか。1万字近いんだけれど……なんだこれ。軽い気持ちで始めたのにな。最近、本を読む速度が落ちてきている(完全に「メギド72」のせい)ので、どうにか来年は挽回したい。