2019年の映画館で観た映画に関して

 2019年に映画館で観た映画に関して、振り返りをしたいと思う。普段通っている映画館のメンバーカード履歴を元にしているので、漏れはあるかもしれないが……

 

・アクアマン

 なんか面白い部分もあったんだけれど、基本的には脚本の粗が目立ったんだよね。こういう作品こそ、批評家たちはどうこう言うべきだと思うんだけれど。まあ、彼らは僕のように、完璧な脚本の作品が観たいとか思っているわけではないんだろうな。私家版脚本を書いてしまったぐらい、おしい作品。

 

ファースト・マン

 個人的にはかなり良かった。どちらかと言えば退屈よりの作品ではあるのだけれど、音や映像が良いから、長時間の鑑賞にたえることができる。主人公の感情の動きに集中して観ると、(というか言うまでもなくそういう作品だけれど)その動きがとても綺麗で面白い。

 

キャプテン・マーベル

 MCUでも結構下位に入るぐらいにはつまらなかった。まあ、本当の最下層の奴らよりは明らかに観られるけれど。予定調和ばかりなのに、詰めが甘く、寒いギャグが全然かみ合ってない。ギャグを入れてテンポ上げるの、めっちゃ技量とセンスがいるので、常人は真似しない方がいいです。

 

スパイダーマン:スパイダーバース

 こんなに素晴らしい作品がこの世に存在していいのだろうか。非の打ち所がなく、マイルスが再起するところであまりの完成度に涙してしまった。そういうレベルの作品。フィル・ロードクリストファー・ミラーは現代における創作神の一組だ。しかし、彼らを切った映画があるらしい。「ハン・ソロ」って言うんですけどね……

 

バンブルビー

 あのトランスフォーマーに今流行りのレトロ世界観を混ぜて、ちゃんとした良作に仕上がったという作品。僕の周りでも好評だったけれど、総じてトランスフォーマーファンはマイケル・ベイ演出に慣れてしまっているので、アクションが物足りないみたいな意見が多かったのは草

 

アリータ:バトル・エンジェル

 あとで比較映像を観たんだけれど、結構アニメと同じアングルとかシーンとか使ってたんですねぇ。そのせいで、つなぎが甘くて、出したいシーンの羅列みたいになっちゃってる。あと、あのラグビーみたいなやるいる? そういう歪さが一般ウケは絶対しないだろうけれど、稀に刺さる人はいるんだろうなみたいな凡作。

 

・レゴムービー2

 「レゴムービー」のあの衝撃と比べてしまうと流石に見劣りするだろうけれど、あそこまで拡大してしまった世界観をそれ以上は広げることなく、本当に上手くまとめていると思う。技巧を感じるし、かなり面白かった。ミュージカル要素も入って、根幹を歪めることなく、テンポ良く、情報量を上げることに成功している。

 

・シャザム!

 設定はかなり強いと思うし、話の流れも悪くない。ヴィランの描写もしっかりしているとかなり傑作の条件が揃っているんだけれど、クライマックス以降の脚本の練りが甘くて、それが最後の印象になってしまうんだよね。もうちょっと、ヒーロー側とヴィラン側の対比(特にパワーの性質に関しての)が強くても良かったと思う。

 

アベンジャーズ/エンドゲーム

 言うまでもない。映画史に残るイベント映画であり、リアルタイムで参加出来たことは、本当に幸運なことだと思う。冷静になってみると、部分的に難がある作品ではあるのだけれど、あのリアルタイムでの興奮は、もう二度と味わうことの出来ない類の体験だった。I love you 3000

 

・名探偵ピカチュウ

 全く期待しなかったので、逆にいい意味で期待を裏切られた。まあ、普通に良作ぐらいの枠組みから抜けられる作品ではないけれど。ライアン・レイノルズの声に意味があったり、ミュウツーの逆襲からの繋がりがあったり、という部分がかなり意外で。あと、しわしわピカチュウが本当に可愛い。

 

アメリカン・アニマルズ

 個人的にはめっちゃ好きな作品。特に、予告は本当に素晴らしい。是非観てくれ。特徴的な演出のいくつかが個人的にツボなのと、テーマがとても良かった。こういう尖った作品が自分の好みにはまると、本当に観て良かったなと思う。何度か繰り返し観たいので、配信とかに来たりしないかなぁ。

 

・プロメア

 結構口コミでブームになったけれど、脚本を見ると、いつもの中島かずき脚本より精緻さが欠けると思うんだよなぁ。まあ、自覚はあるだろうし、映画尺というのもあって、色々と難しいと思うんだけれど。音楽はとても良い。陰謀論者に京アニ事件の元凶の一つにされていたのは草生えた、いや、生えない。

 

・天気の子

 sneg(完全な死語) めっちゃ好き。好きだけれど、全国の一番スクリーンで公開するような内容じゃないでしょ、これ! 「君の名は」の後にこれを持ってこれる新海誠、大物の器を持っている。ゼロ年代エロゲ感あるのに、現代性や新規性があって、大衆ウケが取れるところまで引っ張っていけるのは才能だよなぁ、本当に。

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

 マジで人間側の思考がモンスターすぎて脚本がやばくなっているが、映像とか演出とかはめっちゃ好き。一時期、このEDをループで聞きまくってた。テンション上がる。ゴジラに日本人が核爆弾使って自爆することによって強化するとか、日本人じゃ絶対出来ない発想。しかし、シーン自体は好きなんだな、これが。

 

メン・イン・ブラック:インターナショナル

 主観・客観ともに今年観た映画の中でワーストだと思う。流石にこの脚本でGO出しちゃ駄目でしょ。本当にしっちゃかめっちゃかで、逆にどこが駄目とか指摘できないんだよね。根本からアウト。リメイク系、成功例もそれなりにあるけれど、失敗例の方が目立つようになってきたなぁ……

 

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

 前作以上に青春もの感が強い。ミステリオ関係の演出が良かったなぁ。テーマの現代性もかなり良い。ポスト・エンドゲームとして、これだけ練られたものを出せるMCUはすごいと感心させられる。やはり、スパイダーマン映画にハズレ無し。「スパイダーマン3」? 僕は(部分的に)好きだよ。

 

トイ・ストーリー

 続編ものの難しさを感じさせられた年でしたね。これ、日本じゃウケ悪いんじゃないかなと思ったら、案の定という感じ。テーマは良かったし、解決もあれでいいんだけれど、トイ・ストーリー3の後でやるとねぇ……あと、ものに対する日本とアメリカの世界観の違いみたいなものが透けて見える。

 

ワイルド・スピードスーパーコンボ

 これのためにワイルド・スピード全部観ましたよ、ええ。前から気になってはいたしね。まあ、いつものアクション映画って感じ。スピンオフなので、カーアクション要素は少なくなっている。それにしても、この監督、サイコー!ってところの一歩前まで連れて行ってくれるんだけれど、そこから突き抜けてくれない印象がある。

 

・ジョーカー

 普通に良かったです。社会現象になるほどか? という作品ではあるけれど、まあ、それだけ現代社会に合っていたんでしょうね。ヒーローなきリアルよりヴィランものってかなり好きなので、そういう意味でもツボだった。しかし、ジョーカー、原作からしてそうだけれど、本当に多面的なキャラクターだよね……

 

・映画 すみっコぐらし とび出す絵本とひみつのコ

 ちょっとオタクの中でも話題になったけれど、それは過剰に書いてますね。あくまで、良く出来たファンムービーでしかない。泣き所の盛り上げは上手いけれど、全体的に質が良いわけではないので。脚本がヨーロッパ企画で、そこに一番驚いてしまった(クソゲーのイメージしかない人)

 

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

 いろんな意味でスター・ウォーズ映画に止めを刺したような気がする作品。どうなるんですかねぇ、これから……落ち着いてきたら、言うほど良くはないけど、言うほど悪くないって評価に収まりそう。シリーズに思い入れがある人(僕含め)、いろんな意味でバイアスかかってしまっているから、客観的に評価されにくいだろうな。

 

 20本強か。本当はもうちょっと観たい作品あったんだけれど、旅行行った時からリズムが崩れてしまって、かなり観たかったのに、観られなかった作品が結構あった。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」とか「ジョン・ウィック:パラベラム」とか「ドクター・スリープ」とか……そこは本当に反省すべき点だ。

 今年の三本は、「スパイダーマン:スパイダーバース」「アベンジャーズ:エンドゲーム」「ジョーカー」かなぁ。え、マジで、そんなにつまらないラインナップなの、と自分でも驚いている。でも、そうなるでしょ……主観マシマシだと、「スパイダーマン:スパイダーバース」「アメリカン・アニマルズ」「天気の子」って感じ。心に残った順というやつで。来年はイベント映画減るだろうから、どうなるかな。今の所、ダントツで「TENET」が楽しみですね。それまでは確実に生きる。